炎鵬が入幕後初!涙の勝ち越し 給金相撲で9連敗…10度目の正直やっと勝った!

 「大相撲名古屋場所・14日目」(20日、ドルフィンアリーナ)

 身長168センチ、体重99キロの関取最小兵、炎鵬が妙義龍を寄り切って涙の初勝ち越しを決めた。新入幕の先場所は7勝2敗から6連敗して負け越し。今場所も7勝3敗から3連敗と苦しみ続けたが“10度目の正直”。土俵下でこみ上げ、支度部屋でも男泣きした。1敗トップで並んでいた両横綱は鶴竜が関脇御嶽海を寄り切って13勝目を挙げ、白鵬が琴奨菊に寄り切られ2敗(12勝)に後退した。単独トップに立った鶴竜が千秋楽、白鵬に勝てば6度目優勝、負ければ優勝決定戦となる。

 優勝争いの横綱戦と同等の大歓声が沸いた。ついに高い壁を乗り越えた炎鵬に万雷の拍手が送られた。土俵下で感情がこみ上げ、関取で一番小さな体を震わせ、うつむいた。

 勝ち越しの懸かる給金相撲で先場所から9連敗。12日目松鳳山戦では右足首も痛めた。負傷を抱える右肩に加え、右足首にテーピング。痛み止めの薬を飲み土俵に上がった。

 「焦っていた」と2度突っかけた。それでも「真っすぐいくことだけしか考えてなかった」と決死の覚悟。踏み込んで頭で当たった。首を極(き)められたが必死に耐えて動いた。両差しになって力を振り絞り実力者の妙義龍を寄り切った。

 「苦しかった」“10度目の正直”でつかんだ8勝目。支度部屋では再び感情が高ぶり、タオルで10秒、目を押さえ、こぼれ出る涙をぬぐった。「みんなにいい報告ができる」。応援に応えられた安どの思いがあふれた。

 「先場所から勝てなくて1勝の重みを感じた。みんなから温かい言葉をかけてもらい、何度も折れそうだったけどやってこられた」

 兄弟子・十両石浦の「自分らしくいけ」との言葉が心に刺さった。兄弟子の横綱白鵬には「負けたら帰って来るな」と厳しくも温かいゲキをもらった。「見捨てないで声をかけてくれた。ありがたい」。支度部屋ではやっとかなった勝ち越しの報告。横綱から「おめでとう」と祝福を受け喜びをかみしめた。

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