友風が6場所制最速タイ金星 初の10勝!鶴竜止めた 横綱初挑戦で大殊勲「頭真っ白」

 「大相撲名古屋場所・13日目」(19日、ドルフィンズアリーナ)

 平幕友風が小錦と並ぶ初土俵から14場所目の最速(年6場所制となった1958年以降、幕下付け出しを除く)で初金星を獲得した。幕内3場所目で横綱初挑戦し、鶴竜をはたき込みで撃破。全勝だった横綱を止めて価値ある初の2桁10勝目(3敗)を挙げた。横綱白鵬が妙義龍を小手投げで退け、1敗(12勝)で鶴竜とトップに並んだ。平幕照強が11勝目(2敗)。千秋楽は両横綱の対戦が予定されるため、優勝の可能性は2敗の照強までに絞られた。

 夢心地だった。友風は乱舞する座布団が目に入らなかった。花道に落ちた座布団を見て「勝ったのかな?」とまだ半信半疑。インタビュールームでも「うれしいです。頭真っ白」と上の空だった。

 大関4人が全員休場した影響で13日目、全勝トップの横綱戦に抜てき。幕内3場所目で初の横綱挑戦、しかも結び。前夜からずっと緊張し続けていた。

 白鵬に力水を付けてもらい「これは現実か?」と自問。鶴竜と仕切りで相対し「前にいてびびりました。頭の中、ごちゃごちゃだった」と混乱した。

 それでも「前に出る。当たる」と、それだけを考えた。立ち合い、踏み込まれ、一気に追い込まれたが反応。土俵際、ヒラリと回りはたくと、横綱が土俵下まで吹っ飛んだ。

 鶴竜に土を付ける大きな初金星。初土俵から14場所目の金星は小錦と並ぶ最速記録だ。「夢みたい。(入門した)3年前は雲の上の人」と支度部屋でも興奮は冷めなかった。

 「恋人のよう」と例える13歳上の兄弟子・嘉風に心酔。毎日、行き帰りの車中で連絡がある。この日朝も、その“恋人”から「お前は絶対楽しむタイプだけど俺の方が楽しみ。若さを出して思い切りやれ。体は動いている。体の反応に任せろ」と激励された。まさに言葉通りの相撲。千秋楽まで優勝争いを持ち越す、大殊勲の10勝目となった。

 幼少期より続けてきたピアノを今も演奏する。頭の中は今、どんな音楽が流れているか問われると「(女手一つで育ててくれた)母親の悲鳴が聞こえます。大泣きでしょうね」。ようやく、いつも通り“さえる”トークで返した。

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