白鵬 48回目ストレート給金!過去33回優勝でV率7割 吉田沙保里さんも太鼓判

 正代(下)を引き落としで下し、勝ち越しを決めた白鵬(撮影・中田匡峻)
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 「大相撲名古屋場所・8日目」(14日、ドルフィンズアリーナ)

 休場明けの横綱白鵬(34)=宮城野=がヒヤリとしながら、最後は引き落として幕内正代を土俵に這(は)わせ、自身48回目のストレート給金を決めた。NHK中継のゲストを務めた女子レスリング五輪3連覇、国民栄誉賞受賞者の吉田沙保里さん(36)から肉体の進化に太鼓判。自身最多を更新する復活のV43へ、最強パワーをもらった。鶴竜も10度目の中日勝ち越し。賜杯争いは両横綱の一騎打ちムードで後半戦に突入する。

 白鵬は最後、正代の両まわしを握り、体ごとのしかかって押しつぶした。立ち上がると、口を真一文字に結び、「フーッ」と大きく息を吐いた。

 一瞬、ヒヤリとした。左前ミツを取って出たが、土俵際、すくい投げに前のめり。その後は距離を取り応戦。引きにも耐えて最後は気迫で振り切った。

 「(すくい投げは)頭にはあった。あとは流れ」と淡々。右上腕部負傷で先場所全休して今場所、再起を期す。自身の持つ最多記録を更新する48回目のストレート給金だが、何年やっても勝ち越しは安どするもの。「休場明けで一つクリアした」と力を込めた。

 過去47回のストレート給金場所は33回の優勝を誇り、V率7割。突っ走る復活のV43へ、この日は強力な援軍が駆け付けた。

 女子レスリング五輪3連覇、「霊長類最強女子」の吉田さんがNHK中継にゲスト出演し、放送後、白鵬とガッチリ握手。「さすがですね」と、横綱の強さを褒め称えた。

 かねてより親交が深く、頂点に君臨し続ける者同士、通じるものがある。吉田さんは「魅力は安定した強さ。(今日は)気持ちが先に走ったけど、土俵際で止められる足腰の強さがある」と完全にアスリート目線で話した。

 相撲もレスリングも同じ1対1の格闘技。吉田さんが2歳上。30歳を超えてからの練習に関しかつて意見を交わしたことがある。「女子の私ができるんだから男の俺でもできると思ってもらえたら」とエール。そして「体が大きくなっている。圧を感じる。また分厚くなった」と肉体の進化に太鼓判を押した。

 世界最強の女王だけではない。「世界のトヨタ」も後押しする。トヨタ自動車の総帥・豊田章男社長と個人的な親交から今年から名古屋の宿舎がトヨタスポーツセンターに変更。同センターにはJ1名古屋を始め、野球、陸上など、屈指のトップ選手が練習する。トレーニングやケアも日本屈指の施設だ。

 「ありがたいね」と吉田さんからパワーを注入された白鵬。新時代「令和」での初Vへ加速する。

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