阿炎、新三役に昇進「同世代が早かったので悔しい思いもある」

 新小結昇進会見で自身のしこ名を指さす阿炎(左)。右は師匠の錣山親方
2枚

 「大相撲名古屋場所」(7月7日初日、ドルフィンズアリーナ)

 日本相撲協会は24日、名古屋場所の新番付を発表した。阿炎(錣山)が新三役に昇進した。錣山部屋からは現師匠が創設して以来、11年九州場所の豊真将に続き2人目。埼玉県出身では春場所の北勝富士に続き戦後4人目となった。

 名古屋市内で師匠の錣山親方(元関脇寺尾)と会見。番付表を手に「ちょっと字が大きくなって見やすくなった」とニンマリ。入門6年での出世に「同世代が早かったので悔しい思いもある。上がれたことには変わりないのでうれしい」と、喜びをかみしめた。

 親方はまな弟子を思うゆえに厳しい。「もっと汗をかいていればもっと早く上がれた。持っているものはこいつはすごいのに遅かった。本人は緊張するというけど他の力士とは緊張の度合いが違う。稽古場は弱いけど本場所で自分の相撲が取り切れる。相撲は突っ張りの手が回るようになってきた。引きが少なめになった。ただちょっと変わっただけ。調子に乗るのでちょっと」と笑わせた。

 いつもはジョークもさえる阿炎だが、師匠が隣ではさすがに殊勝。「貴景勝関、御嶽海関、朝乃山関と同世代は全員気にかける。負けたくない。戦って勝ちたい。抜けたらいい。俺も優勝したいと思った。できるんじゃないかと。先場所負けた相撲の方がいい相撲。そこを見直していけば勝てるんじゃないかと。優勝するチャンスはある」。優勝をしっかり視界に入れた。

 最高位が関脇の師匠は弟子に思いを託す。「最低、大関になってほしい。俺の前で『師匠の番付を抜く』といつも言っている。大関しかない」。さらに、まだまだ稽古不足なのが歯がゆい。「自分とはレベルが違う。自分は相当汗をかいたつもりでも大関止まり。こいつはまだ汗をかいていない。腹の底から汗をかいたらその上をいく。大関に上がらなかったら私の稽古不足」と語った。

 阿炎は会見では時折、“地”が出て師匠がたしなめる場面もあった。埼玉県出身で北勝富士(八角)、大栄翔(追手風)と同県ライバル。「今は自分が一番強いというのをあの2人は分かっていてほしい」と超上から目線に師匠を「今のは無しで」と苦笑いさせた。

 大関への道の第一歩として「寝坊をなくしたい」とやって、師匠をずっこけさせたのも阿炎らしい。最後は師匠が「(新三役で)惨敗すると思いますが、よろしくお願いします」と締め、師弟息ピタリ!?の会見だった。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス