【桜の勇者たち】フッカー堀江 一選手としてチーム支える「勝ちたい、勝たせたい」

 ラグビーW杯日本大会は9月20日、1次リーグの日本-ロシア戦(味スタ)で開幕する。前回大会の15年イングランド大会では1次リーグ3勝1敗としながら、勝ち点差で8チームが出場する決勝トーナメント進出を逃した。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(49)は前回果たせなかった8強を目標に設定。一生に一度の自国開催の舞台で、快挙の夢へ挑む選手たちを連載企画「桜の勇者たち」で紹介する。

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 円熟期を迎えて、W杯に臨む。11、15年とW杯2大会に出場したフッカー堀江翔太(33)=パナソニック=は、自身最高の肉体を作り上げている。

 「コンディションは15年から比べると年々上がってきています。体重も増えていますしね。かといってフィットネスが落ちているわけではない」

 昨年9月に右足舟状骨を疲労骨折した。回復が遅く、11月に手術に踏み切った。完治まで4~6カ月。賭けだった。「焦りがないと言ったらうそ。再発させるとW杯に参加できない」と当時の心境を語る。慎重にリハビリとトレーニングを重ね。3月には実戦復帰を果たしてみせた。

 16年、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC)を迎えた日本代表で初代共同主将を務めた。当初のジョセフHCとの関係を「すれ違いが多かった」と明かす。日本代表として過ごし、さらに昨年は同HCがサンウルブズのHCを兼務し、チームとしての時間が増えた。「お互い歩み寄るみたいな感じになった。『いろいろ勉強させてもらった』とジェイミーの口からも出た」。一体感を持ったチームへ成長した過程を常に見て感じてきた。

 現在は主将の座を譲り、8人からなるリーダー陣にも入らない。自らを「キャプテンキャラじゃない。ドレッドはダメでしょう」と笑う。その理由は「根がめっちゃ真面目。真面目なやつを真面目なとこに置いたら窮屈になっちゃう」というのが本音。「『普通に頑張るのでこれでいい』とジェイミーに言ったことがある」。直訴して、一選手としての立場を選んだ。

 「このチームで勝ちたい、勝たせたいという気持ちはあります。代表が日本で一番いいチームで、一番優先的に考えなアカンようなチーム。愛着をもってます」。1つのピースとして、重要なパーツとして、愛着のあるチームを支える。

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