貴景勝に賛否の声 大関以上の再出場から再休場は昭和以降初の不名誉

 貴景勝の再度の休場で栃ノ心の不戦勝となる
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 「大相撲夏場所・9日目」(20日、両国国技館)

 前日再出場した新大関貴景勝(22)=千賀ノ浦=が、たった1日で再休場した。再出場→再休場は大関以上では昭和以降、初めての不名誉。再々出場の可能性はなく、7月の名古屋場所をかど番で迎える。協会看板の身勝手な迷走に八角理事長(元横綱北勝海)ら幹部が苦言。一方で協会関係者には安どやエール、再出場を評価するなど賛否の声が入り交じった。貴景勝の相手だった関脇栃ノ心が不戦勝で勝ち越し。横綱鶴竜、平幕朝乃山も8勝目で3人が1敗でトップを守った。

 手負いの体でこれ以上、出続けることは許されなかった。再出場した19日の深夜、師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)が電話で「休場しよう」と勧告。貴景勝は「分かりました」と受け入れた。

 加療3週間の診断をわずか4日で土俵に戻っが惨敗。この日の診断では前回の「右膝内側側副(そくふく)じん帯損傷」に加え、「右膝骨挫傷」と新たな負傷箇所も判明。22歳、将来を考えれば治療が最優先だった。

 親方は弟子をかばった。「再出場は間違っていなかったと私は思う。本人の相撲人生」。再々出場に関し「ないです」と否定した。

 協会看板の大関以上が休場→出場→休場となったのは昭和以降初。後半戦の土俵に混乱を招く迷走だ。師弟ともに軽率な判断と批判されても仕方がない。

 八角理事長(元横綱北勝海)は「(観客は)栃ノ心の不戦勝を見に来ているわけじゃない」と身勝手さに苦言。取組編成を担う審判部の阿武松部長(元関脇益荒雄)は「大関は大変。そこまで考えないと」と周囲への影響を考えるよう求めた。

 力士では御嶽海が物言い。「出るなら出る。出ないなら出ないと決めないと。出てみようかな、やれるかな、というのでは大関なので残念」。自身は初場所で再出場から取り切って勝ち越している。

 一方で擁護する声もある。大鳴戸親方(元大関出島)は「個人的には再出場は素晴らしい。簡単に諦めず挑戦した。昨日(8日目)はお客さんも喜んでくれた」と褒めた。

 左上腕部の負傷などで8場所連続休場した荒磯親方(元横綱稀勢の里)は「強い力士はみんなケガして相撲がうまくなっている。無駄にしてはいけない」と逆境を肥やしにするようエールを送った。

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