炎鵬“令和の牛若丸”に名乗り!1敗死守で4連勝 79キロ重い矢後を転がした

 「大相撲夏場所・6日目」(17日、両国国技館)

 身長168センチ、体重99キロ、関取最小兵の新入幕炎鵬が上手ひねりで矢後を破り、4連勝で5勝目を挙げた。“ひねり王子”の愛称で呼ばれる24歳が、代名詞の必殺技で自身より79キロ重い相手を転がした。元小結舞の海秀平氏がNHK解説を務める前で“令和の牛若丸”に名乗り。1敗を死守し優勝争いでも食らい付いた。6戦全勝のトップは横綱鶴竜、関脇栃ノ心の2人となり、1敗で炎鵬、朝乃山の平幕2人が追う。

 体重99キロが幕内の大男をまた転がした。相手の隙を突き、この日も懐に入った。左を差してグイグイ攻める。蹴返しで崩した後、伝家の宝刀、上手ひねりがさく裂。「タイミングどんぴしゃ」。会心技で自身より身長が19センチ高く、体重は79キロも重い矢後がドスンと崩れ落ちた。

 小よく大を制す。これぞ醍醐味(だいごみ)だ。平均体重163・9キロの幕内でひときわ小さい男が館内を割れんばかりの歓声に包んだ。

 「相手がよく見えていた。自分から仕掛けたのが勝因。(巨漢に勝つのは)たまらないです」と納得顔で振り返った。ひねり技を得意とすることから、兄弟子の横綱白鵬から名付けられた愛称は“ひねり王子”。「自分の武器。技一つでも相手が警戒してくれれば、いろんな勝ち方が増える」と幕内で名刺代わりに決めて見せた。

 体重100キロ未満で新入幕の日本力士は、91年秋場所の舞の海(93キロ)以来28年ぶり。相撲を始めた頃から憧れの存在で、91年九州場所の曙戦でみせた「三所攻め」、「八艘飛び」など映像を見ては興奮した。

 舞の海氏とは場所前に雑誌企画で対談が実現。「考え方とか答え合わせをしている部分があった。自分の考えつかない動き、アイデアをたくさん持っている」と意識は高まった。内掛け、外掛けを伝授してもらう約束もした。同氏を継ぎ「令和の牛若丸」襲名に「なりたい」と意気込んだ。

 同氏は新入幕で8勝を挙げて技能賞を獲得している。6日目で5勝の炎鵬も十分に視界。三賞どころか1敗で食らい付き優勝争いだ。「楽しようとしたら負ける。辛抱してやる」。しこ名通り、誰より燃える気持ちで戦い抜く。

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