貴景勝が大関王手!連敗止めた 高安秒殺で9勝目…イチローの強さ胸に昇進決める

 「大相撲春場所・13日目」(22日、エディオンアリーナ大阪)

 大関とりに挑む関脇貴景勝が昇進に王手をかけた。大関高安を押し出し連敗を2で止め9勝目(4敗)。昇進ノルマの10勝を懸け14日目、平幕逸ノ城戦に臨む。横綱白鵬は大関豪栄道を寄り切って初日から13連勝で単独トップをキープ。逸ノ城が小結御嶽海をはたき込み、ただ1人の1敗。14日目、白鵬が大関高安に勝ち、逸ノ城が敗れれば、白鵬の42度目の優勝が決まる。

 たれこめた暗雲を貴景勝が気合で吹っ飛ばした。白鵬、豪栄道と連日敗れ、迎えるは大関高安。3連敗中だった天敵に迷わず真っ向、頭から激突した。

 押し込み強烈な押しで馬力自慢の大関を後退させた最後は一気の出足で追い詰め、トドメの一撃をたたき込んだ。3秒5の秒殺劇。3日ぶり連敗脱出の9勝目をつかみ取った。

 「昨日、おとといと負けているから自分の中では感じるものがあった。それを次の日に発揮できればと思った」。終盤、勝負どころで見事に立て直した。

 先々場所が13勝で優勝、先場所11勝。これで三役3場所計33勝の昇進目安に達した。1横綱、1大関を撃破し内容も及第点。あとはノルマとされる10勝をクリアするのみだ。

 昇進を預かる審判部の阿武松部長(元関脇益荒雄)も高評価。昇進判断に関し「あと2日ある」と最後まで慎重ながら、「緊迫した場面でああいう相撲が取れるのは素晴らしい」と、うなった。

 前夜引退表明したイチローに対し「野球道の求道者。『男とは』というね。そういうのを背中で見た」と勝負師だからこその強さを直感した。兵庫県出身で阪神淡路大震災の1995年にオリックスがリーグVしたことは伝説。まだ生まれてもいなかったが、その年、V最大の立役者、イチローは22歳。今の貴景勝と同じだった。

 相撲の求道者として自身と向き合い続けてきた。14日目は1敗で優勝争いを演じる平幕逸ノ城と強敵は続く。「階段(を上った)とか考えない。欲が出ちゃうと終わり。やり切った、準備した、集中した、結果出た、それで終わり」。あと2日、精神力で戦い抜く。

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