照ノ富士 全勝対決制し優勝決定戦へ 数々の故障乗り越え…師匠の言葉に奮起

佐田剛(左)を押し倒しで破り7戦全勝とした照ノ富士=エディオンアリーナ大阪(撮影・佐藤厚)
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 「大相撲春場所・13日目」(22日、エディオンアリーナ大阪)

 元大関で、両膝のけがや内臓疾患などにより5場所連続休場し、西序二段48枚目にまで転落した照ノ富士(27)=伊勢ケ浜=が佐田剛(境川)との全勝対決を制し、7勝目を飾った。同じく7戦全勝とした狼雅(二子山)と千秋楽に優勝決定戦を戦う。

 立ち合いで少し右に動いた佐田剛を落ち着いて組み止め、あっさりと押し倒した照ノ富士。復帰場所で白星を七つ並べたが「優勝が目標じゃない。幕内に上がることが目標」と表情を緩めない。「思い切った体を使った相撲が取れていない。自分の中では物足りない」と不満が口をついた。

 大関経験者が幕下以下で出場するのは初めて。両膝のけがは完治しておらず「まだ相撲を取る稽古はしていない。相撲勘は戻っていない」と話す。それでも「(相撲を)取ると決めたら一生懸命やらないと」と、観客もまばらな中での取組にも全力を尽くしてきた。

 休場中に大きく番付を落とし、ふさぎこむ日々を送る中で、師匠の言葉が「心に響いた」と明かす。伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)から「やればできるんだから、もう一回、復活する姿を見せたらいいんじゃないか」と激励を受け、「自分の中では『もうできないんじゃないか』と思うこともあった。動くのもきつい時期があったので。気持ちを変えてくれたのは親方」と感謝する。「なんだかんだで相撲が好き。(休場中も)気になって(相撲中継を)見ちゃう。まだ好きなんだなって」と振り返り、穏やかな笑みを浮かべた。

 「力が落ちているわけじゃない。力比べだけならね。でも相撲は動くから。動きに慣れるように頑張る」と、復活ロードを見据える。優勝決定戦に向けては「(勝敗は)別にどっちでも。(千秋楽まで)やり切るだけ」と話し、ファンの声援を受けながら場所を後にした。

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