紀平梨花 史上最大の逆転劇へトリプルアクセル連発

 「フィギュアスケート・世界選手権」(21日、さいたまスーパーアリーナ)

 女子は前日のSPで2位の坂本花織(18)=シスメックス=や7位の紀平梨花(16)=関大KFSC=らが21日、公式練習。逆転を狙う紀平は13本中11本、トリプルアクセルを決めた。22日のフリーで逆転Vを目指す。

 胸の中に渦巻く感情を少しずつ放出するように、紀平はトリプルアクセルを跳び続けた。SPで“伝家の宝刀”が1回転半になるミスが出て、7位と出遅れた。首位ザギトワとは11・18点差。現実的には厳しい。それでも、奇跡を起こすには、フリーに2本を組み込む、宝刀の成功は不可欠。高い集中力で13本中11本。そのうちトリプルアクセル-3回転トーループの連続ジャンプを4回決めた。準備は整った。

 フリー冒頭に鳴り響く雷鳴は、逆襲の合図だ。今季はフリー「ビューティフル・ストーム」とともに、奇跡を起こし続けてきた。付いた異名は“逆転の紀平”。ここまで国内外8戦でフリーはすべて1位。6・58点差の5位から優勝した昨年11月のNHK杯を含め、逆転劇は実に4度を数える。

 現行ルールとなった04-05年シーズン以降、世界選手権の女子シングルで10点以上を逆転した例はない。最大逆転劇は、昨年大会のオズモンド(カナダ)の7・54点差の逆転だ。ただ、紀平はSP後に言った。

 「できるできないじゃなくて、やるしかない」

 立ちはだかるのは、“できない”という前例や常識。美しく、たけだけしく。嵐を起こして、すべてを壊す。

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