東京ヒロイン候補・池江璃花子にまさかの試練…連盟は例外措置には否定的

 アジア大会の女子50メートル自由形で優勝し、ガッツポーズ=2018年8月(共同)
3枚

 白血病を公表した池江璃花子にとって、東京五輪への道は険しいものとなった。日本水連の上野副会長は、例外措置での代表選出を否定。20年4月の日本選手権で結果を残すことが必須となる。8種目以上の出場が期待されている自国開催の五輪で泳ぐためには病を治し、約1年でトップコンディションを取り戻すことが求められる。

 リオ五輪では100メートルバタフライと50、100、200メートル自由形、400、800メートルリレー、400メートルメドレーリレーの7種目に出場し、東京五輪でも日本のエースとして活躍が見込まれていた池江。自身も昨夏にアジア女王の称号を手にし、「自信を持って世界にチャレンジしたい。来年、再来年とチャンスがある」と今夏の世界選手権、そして20年東京五輪を見据えていた。

 池江不在となれば、競泳ニッポンは大きな打撃を受ける。

 昨夏のジャカルタ・アジア大会では個人で50、100メートルの自由形とバタフライの4種目に出場。加えて400、800メートルリレー、400メートルメドレーリレー、400メートル混合メドレーリレーの4種目でも代表に貢献し、6冠を達成した。50メートルバタフライは非五輪種目だが、200メートル自由形など得意としながら出場しなかった種目もあり、東京五輪ではリオ五輪を超える8種目以上の出場が期待されていた。

 最も得意とする100メートルバタフライは昨季、シーズン世界最速となる56秒08をマーク。11月には短水路ながら世界記録保持者でリオ五輪金メダリストのサラ・ショーストロム(スウェーデン)を初めて破るなど、メダル獲得の可能性をどんどん高めていた。日本記録を持つ50メートル、100メートル、200メートルの自由形も五輪で上位をうかがう力を持っている。

 今夏の世界選手権で金メダルを獲得すれば五輪代表に内定する運びだったが、その道は閉ざされた。日本水泳連盟の上野副会長は会見で、「池江も特別な猶予があるとは考えていないと思う。選考会のスタートに立てるなら、標準記録と順位が求められる」と例外措置には否定的な見解を示した。代表切符を得るには、20年4月の日本選手権で標準記録を突破して2位以内に入ることが条件になる。

 中学3年だった15年の世界選手権で代表入りして以降、長い腕で生み出す推進力と抵抗を受けにくいフラットなフォームで次々に日本記録を更新してきた。東京五輪のヒロイン候補を襲った受難。厳しい状況に立たされたことは間違いないが、誰もが一日も早い回復を、復帰を信じている。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス