元横綱・稀勢の里 9・29引退相撲 先代師匠の誕生日

 16日に現役を引退した元横綱稀勢の里の荒磯親方(32)が引退相撲を行うため、9月29日、東京・両国国技館の日程を押さえたことが17日、分かった。同日は入門時から薫陶を受けた先代師匠・故鳴戸親方(元横綱隆の里)の誕生日にあたる。この日は国技館を訪れ、八角理事長(元横綱北勝海)をはじめ、協会の各部にあいさつ回りし、“親方デビュー”。館内を移動する際はファンが殺到し大混乱の“引退フィーバー”となった。部屋での指導は早期に開始予定でまわしを着用し、弟弟子の大関高安と真剣勝負の稽古を予告した。

 天国の恩師とともに晴れの門出を祝う。元稀勢の里の引退相撲が9月29日、両国国技館で行われることになった。同日は11年11月に急逝した先代師匠・故鳴戸親方の誕生日。師を思い、17年間に及んだ土俵に別れを告げ、大銀杏(おおいちょう)を落とす。

 15歳で入門して以降、相撲のすべてをたたき込んでくれた。「心臓から汗をかけ」など厳しい指導があったから角界の頂点に立てた。16日の引退会見でも「先代(師匠)は稽古場というものを非常に大事にしていた。次世代の力士に稽古場の大事さを教えていく。一生懸命相撲をとる力士。けがに強い力士を育てていきたい」と、決意表明した。

 荒磯親方として先代の薫陶を受け継ぎ、将来は独立も視野に入れる。一心同体とも言えるほど強かった師弟の絆。9・29が新たな一歩となるのは運命の巡り合わせに違いない。

 引退表明から一夜明けたこの日、午後1時過ぎに羽織袴(はかま)姿で国技館に到着。審判部、巡業部などあいさつ行脚した。まずは八角理事長(元横綱北勝海)を訪れ、「これからの人生が長い」とねぎらわれた。

 館内を移動するごとに人が殺到し大混乱に陥った。取組はもう見られなくなったが、突然現れた“時の人”にファンは驚き、感激。「かっこいい」、「頑張って」、「お疲れさま」と大声援がやまず、騒然となった。

 現役時代はできなかった国技館の練り歩き。約50分の“親方デビュー”に「(ファンの声援に)いつも支えてもらった。うれしかった」と笑った。

 引退会見し、前夜は「すっきり寝られた」と吹っ切れた様子。「土俵に上がれないのはさみしい気持ちはあるけどまた新しいスタート。一歩一歩進んでいきたい」と話した。

 部屋付き親方として早期に部屋に行き指導を開始する気は満々。まわしももちろん着用し胸を出す。「大関もいるし三番をやれる体を作らないと」と、現役時代同様、同じ相手と何番も取る三番稽古で大関高安を鍛え上げる考えを示した。

 親方業には「スーツも革靴もないから」とまだ実感はない。2月9日、国技館での花相撲が親方初仕事となる見込みだ。

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