稀勢と切磋琢磨 同期の豊ノ島 感慨「日本人の筆頭。同じ時代に戦えたことは誇り」

 「大相撲初場所・4日目」(16日、両国国技館)

 十両豊ノ島(時津風)は若隆景(荒汐)を寄り切りで下し、2勝2敗とした。この日、同期として切磋琢磨してきた横綱稀勢の里が引退。「特別な思いというか、勝てればいいなと思っていた」と、ホッとした表情を浮かべた。

 稀勢の里の話になると、思いを噛みしめた。昨晩、引退の報告があったという。

 「LINEできて、思わず電話をした。『お疲れさまでした』とちゃんと自分の言葉で伝えたかったので。寂しい。一言でいえば、本当に寂しい。横綱になった者にしか分からない重圧があったと思う。なかなか日本人が外国勢に勝てない中で日本人の筆頭として、戦ってきて、見事に横綱になった。ファンの思いも1番背負っていたんじゃないかな。同じ時代に戦えたことを誇りに思う」。

 琴奨菊とともに入門時から3人で出世を競ってきた。学年は豊ノ島、琴奨菊が3学年上だったが「化け物みたいな15歳だったから。萩原(稀勢の里)は。1番最初はそんなに印象はなかったんだけど、でもみるみる1日1日強くなっていった」と、懐かしそうに振り返った。稀勢の里も2人を目標にしていたという。「『当時は僕らに早く追いつきたかった。2人の背中を追っていた』と言ってました。あっという間に追いつかれて、背中を見ることになったけど」と、笑った。

 稀勢の里が苦しんでいたある時期、横綱はこんな風に話していたという。「やっぱり相撲は楽しいですね。辞められないですよ」-。豊ノ島は「あれが本心だったと思う。本当はまだやりたかったんじゃないかな。僕も横綱稀勢の里と対戦したかった」と、名残惜しそうに話した。

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