稀勢の里 初場所出場正式表明「いい稽古ができました」

 「大相撲初場所」(13日初日、両国国技館)

 右膝負傷で昨年11月の九州場所を途中休場した横綱稀勢の里(32)=田子ノ浦=が進退を懸け、初場所に出場することを10日、正式に表明した。都内の部屋で基礎運動など稽古を行った後、「あとは本場所に臨むだけ」と明言した。心身ともにベストな状態に仕上がったことを強調。復活へ自信あふれる言葉を連発した。

 退路を断ったことで心は開き直っていた。稽古を終えた稀勢の里が上がり座敷に座り、質問に丁寧に応じた。同じく進退を懸けた秋場所前はピリピリムードで“貝”になったが、今回は全く違う。

 出場を最終確認する報道陣に「いい稽古ができました」と3度繰り返した。“みなまで言わせるな”とばかりの余裕の笑み。そして「非常に順調。あとは場所に臨むだけ。自分の思い通りに近づいてきている。焦りもない。一番いい状態で臨みたい」と、自信満々の言葉を並べて、出陣を高らかに宣言した。

 先場所、横綱として87年ぶりとなる初日から4連敗を喫し途中休場。場所後に横綱審議委員会(横審)が初めて「激励」を決議し、初場所が待ったなしの進退場所となった。

 冬巡業からずっと地道な基礎運動で全身を鍛え直した。稽古の「番数が少ない」など不安の声にもぶれずに信念を貫いた。「人とやる稽古も自分と向き合う稽古もある。体を見つめ直すことができた」と力を込める。師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)は「以前とは比べものにならないくらい、気持ちも体も良い」と仕上がりに太鼓判を押した。

 追い込まれたのでなく、やってやる気持ちか?と問われた稀勢の里は「(質問で)全部言っちゃったじゃん」と返し、笑わせた。相撲人生の土俵際で最高に落ち着いている。

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