角界またまた不祥事…幕下力士が物損事故、酒気帯び疑いも

 日本相撲協会は10日、大嶽部屋に所属する成人の幕下力士が9日未明に福岡県内で車を運転し、ガードレールに衝突する物損事故を起こしたと発表した。酒気帯び運転の疑いで福岡県警の聴取を受けている。無免許ではなかったものの、協会は現役力士の自動車の運転を禁止している。昨年、元横綱日馬富士の傷害事件が発覚した九州場所でまたも醜聞。しかも1月、無免許事故で引退した元幕内大砂嵐の所属した部屋で不祥事が繰り返された。

 昨年は九州場所中、元横綱日馬富士の暴行事件に揺れ、その後、協会は不祥事が相次いだ。1年間、研修などでコンプライアンスを徹底していた矢先、九州場所の前日に再び、醜聞が発覚した。

 幕下力士が酒気帯び運転の疑いで物損事故。芝田山広報部長(元横綱大乃国)によれば同力士は当初、「運転はしたが車はぶつけていない」と師匠の大嶽親方(元十両大竜)に説明、警察にも同様に証言した。しかし、その後、協会顧問による聴取に対し、「自分がやった」と事実関係をすべて認めた。

 大嶽部屋は1月、元幕内の大砂嵐が無免許運転事故で協会から引退勧告され、引退した。元大砂嵐も協会の聴取に当初は「妻が運転していた」など虚偽の弁明。今回、弟弟子も虚偽報告がのちに明るみになるのは全く同じ構図で悪質だ。

 入門前に免許は取得。けが人はいない。九州場所は休場し協会は県警の調査結果を待ち処分を決める方針で厳罰は避けられない。

 大嶽親方は「口酸っぱくなるほど(弟子には)言い聞かせてきたが言葉にならないくらいショック。相撲ファンが離れることが申し訳ない」と謝罪した。

 暴力問題、セクハラ、運転事故…、終わらぬ醜聞の連鎖。芝田山部長の「事案を受け(再発防止を)周知徹底したい」との言葉がむなしく響く。

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