日大・第三者委員会「あまりにも無責任」“身内”田中理事長を糾弾

 アメリカンフットボール部の悪質タックル問題を調査した日本大の第三者委員会は30日、都内で最終報告を発表した。中間報告では内田正人前監督、井上奨前コーチの反則指示を認めたが、今回は騒動が広がった要因として学内ガバナンス(組織統治)の問題に言及。公の場に姿を現さず、問題を放置してきた田中英寿理事長に対して、勝丸充啓委員長は「人ごとのように捉え、まったく対応を取らなかった。あまりにも無責任。反省を含めて説明する責任がある」と要求した。

 理事長が出てこなきゃ意味ないよ-。2カ月に及ぶ調査の最終結論として、日大が設置した第三者委員会も田中理事長の説明責任を認めた。勝丸委員長は「理事長は本件をアメフット部の問題と人ごとと捉えて全く対応を取らなかった。あまりにも無責任」と断罪。「理事長には対外的に説明する責任がある」と結論づけた。

 悪質タックルの直接的な原因はもちろん反則を指示した内田前監督らにある。しかし、同氏に人事担当の常務理事など絶大な権限を与えた源泉であり、日大の最高権力者は理事長だ。にもかかわらず問題解決を“丸投げ”し続けた責任は重い。

 勝丸委員長は「(アメフット部は)事実上の内田独裁体制となっていたが、チェック機能もない。ものを言える存在は理事長以外にはなかった。(放置したせいで)対応も後手後手になった」と指摘。ただ、辞任などの進退については「それは大学であり本人が決めること」と話した。

 31日には関東学生連盟が理事会を開催し、日大が17日に提出したチーム改善報告書を精査した上で、今秋のリーグ戦参加の可否を最終判断する。アメフット界のみならず、日大に対して厳しい目を向ける世間に対し、理事長としてどう説明するのか。もう逃げ場はない。

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