阿部一二三、3年ぶり敗戦に「悔しい」連発も「スッキリした」

 柔道男子66キロ級で17年世界選手権金メダリストの阿部一二三(20)=日体大=が29日、自身3年ぶりの黒星を喫したグランプリ(GP)ザグレブ大会を終えて成田空港に帰国した。約10分の取材で「悔しい」という言葉を連発したものの、「スッキリした気持ち」と表情はどこか晴れやかだった。

 今回は2連覇が懸かる世界選手権(9月、バクー)前最後の調整試合だったが、準々決勝で世界ランク19位のアルタンスフ(モンゴル)の変型の肩車で一本負け。帰国して開口一番、「悔しい気持ちが一番大きい」と率直な感想を明かしたが、「負けて得ることの方がすごく多い」と前向きに捉えた。

 どんどん前に出て、自分のペースで積極的に技を仕掛ける自身の柔道が鳴りを潜めた。挑戦を受ける立場になり、相手の様子を見て合わせてしまい、逆に技を仕掛けられる隙をつくってしまった。「絶対に負けてはいけないと相手に合わす面があった」。

 ただ、敗者復活戦は気持ちを切り替えて臨み、2試合をしっかり勝ち切って3位。「いろいろ背負っているものが、負けて楽になった」と重圧から解放された様子で、「(3位決定戦では)今まで通りの自分らしい、ガツガツ一本を取りにいく柔道ができた」とうなずいた。

 国際大会での連勝は34でストップした。しかし、それ以上に真の王者に求められるのは大一番での勝負強さだ。「これが世界選手権じゃなくてよかった。あと2カ月弱、まだまだ強くなれる。この負けを生かしたい」と、さらなる進化を誓った。

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