虎党の朝阪神、快幕星 猛虎魂で“完封” 改名後初白星「ホッとしました」

 「大相撲春場所・3日目」(13日、エディオンアリーナ大阪)

 角界の虎戦士“快幕”や!今場所に朝塩本から改名した序二段の朝阪神虎吉(17)=高砂=が魁當真(16)=浅香山=を豪快に押し倒して勝利。11日にオープン戦で今季初勝利を挙げた金本阪神に続く改名後初白星で1勝1敗とした。幼少期からの虎党は「ホッとしました」と安どの笑みを浮かべ、勝ち越しを目標に掲げた。幕内では、一人横綱の鶴竜(32)=井筒=が平幕玉鷲を危なげなくはたき込んで3連勝。勝ちっ放しは鶴竜に小結逸ノ城、平幕の松鳳山ら計7人となった。

 ホームの大阪で猛虎魂を見せた。「ハンシ~ン」などの声援も送られる中、気合十分でグラウンドならぬ土俵に立った朝阪神。相手の魁當真を立ち合いからのど輪でのけぞらせると、思い切りのいい突き押しで前に出て、豪快に押し倒した。

 阪神がオープン戦で今季初勝利を挙げた11日の初日は「気持ちが空回りした」と、相手を土俵際に追い詰めながら投げられての逆転負けだったが、この日は相手に何もさせない“完封勝利”。阪神に2日遅れで“快幕”を迎え、「ホッとしました。自分の相撲ができた感じ。肩の荷が下りて、楽になりました」と笑みを浮かべた。

 野球の経験はないが、阪神ファンの父の影響で幼少期から虎党になり、年に10回は甲子園で阪神を応援するほどのめり込んだ。「先場所後に周りから改名した方がいいという話があった」のがきっかけとなり、「覚えてもらえるのはいい。阪神を背負うこともあまりない」と改名を決意。名前も本名の直輝から虎吉に変えた。

 昭和の大横綱大鵬は“巨人、大鵬、卵焼き”という流行語を生んだが、球団名をしこ名にしたのは極めて異例だ。相撲とは違う世界とはいえ大きい名前。背負う重圧は「そういうのはない。大きい名前とはうすうす感じていましたが」と話すものの、師匠の高砂親方(元大関朝潮)からは「阪神球団に怒られるぞ」と言われることがあるという。

 今場所の目標は「とりあえず勝ち越し。大きくは言わない」と控えめ。「地道にゆっくり。遅くてもいいんで、徐々に上がっていければいい」と焦らず出世を目指す。

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