至学館大・谷岡学長、栄氏の「パワハラ考えられない」 誹謗中傷に「法的措置を検討」

 レスリング女子五輪4連覇の伊調馨(33)=ALSOK=が、日本レスリング協会の栄和人強化本部長からパワーハラスメントを繰り返し受けたとする告発状が出された問題を受け、至学館大の谷岡郁子学長が9日、同大学の公式サイトで、同大学の監督を務める栄氏について「選手想いでパワーハラスメントなど考えられない人物」と擁護した。

 谷岡学長は「本学関係者並びに地元支援者の皆様へ」と題して、パワハラを巡る一連の報道について「現実からかけ離れたものと考えています」との見解を示した。

 告発された栄氏については「私の知る栄監督とは、語気が荒いことがあっても、選手想いでパワーハラスメントなど考えられない人物でもありますし、至学館レスリング関係者やそれ以外の人々に陰湿な働きを行うことはないと信じています」とした。一方で、パワハラを受けたとされる伊調に対しても「私たちが誇る卒業生であり、大切な存在です。二人とも傷ついて欲しくないと思います」と気遣った。

 谷岡学長は、SNSなどを通じて同大学レスリング部の選手達にいわれのない誹謗中傷が寄せられていることを明かし、「悪質な嫌がらせや誹謗中傷等の被害がありましたら、大学としてもこのような行為に対して法的な措置を検討したいと考えていますので、お申し出ください。我々のできることは精一杯の対応をさせていただきます」と関係者に呼びかけた。

 この問題で、日本レスリング協会は8日、都内で定例の理事会を開き、協会内の倫理委員会で第三者委員として3人の弁護士に調査を委託し、関係者への聞き取りなどで事実認定を行うことを決定。また、馳浩副会長は今後、伊調に対し、「全面的な支援をしたい」と語った。

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