水谷隼、張本に初勝利で自信回復「まだまだやれる」

 「卓球 ジャパン・トップ12」(3日、東京・駒沢屋内球技場)

 男子決勝は、リオデジャネイロ五輪銅メダリストの水谷隼(28)=木下グループ=が、14歳の全日本王者・張本智和(エリートアカデミー)を4-2で下し、3大会ぶり4度目の優勝を果たした。

 過去2敗を喫していた張本に初勝利し、「張本もすごく強いが『自分もまだまだやれるぞ』というところを、張本にも周りのみんなにも見せられて良かった」と自信を取り戻した。

 試合を終えたエースは開口一番、「すごくホッとした」とはき出した。1月の全日本選手権決勝は2-4で完敗し、「これが張本の(好調ではなく)普段通りの100%の力なら、何回やっても勝てない」と弱音を吐いていた。あれから41日。雪辱を果たし「今日はいい戦術で戦えた」と胸を張った。

 過去の敗戦を糧に、今回は前陣から下がらず積極的にカウンターを狙った。「僕の1番ダメなところはレシーブが消極的なところ。チキータもすごく苦手。今日は負けてもいいから練習も兼ねてチキータをたくさん使った」。張本のお株を奪う攻撃的なバックハンドレシーブでプレッシャーを掛けた。

 「張本はそんなにサービスに威力がないので、いつもより半歩前に出て、甘いサービスが来たら狙っていくぞと。リスクを背負ってカウンターを狙った。全日本の時は(相手のショットが)フォアかバックのどちらに来るのかわからなくて待てなかったが、今回はヤマを張って待つことができた」

 また、サーブでも流れをつかみ、「過去2回負けているときは、サービスで全然先手を取れなかった。今回はサービスをすごくシンプルにして、相手のチキータレシーブを封じたことが1番の勝因だと思う」と分析した。

 また1つ名勝負を終えて、「試合をしていて非常に楽しかった」と水谷。「1ゲーム1ゲームごとに新しい技、新しい戦術をどんどん出して、次は何を出してくるんだろうというワクワクがすごくあった」。国内で世界トップレベルの応酬ができた喜びを素直に言葉にした。

 会場インタビューでは「張本の力はまだまだこんなものじゃない。自分ももっと力をつけて頑張りたい」とハッパもかけた。天才少年と並走しながら、エースとしてまだまだ進化を続けるという決意がにじんだ。

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