「大相撲初場所・１０日目」（２３日、両国国技館）

　全勝の鶴竜の相撲を藤島審判部副部長（元大関武双山）が高く評価した。隠岐の海を一方的に送り出す内容に「鶴竜は負けそうもないね」と漏らした。

　隠岐の海の攻め手を封じる取り口に「鶴竜らしい技能相撲というか、乱れはないですね。ものすごく集中できているのではないですか」と感想を語った。「以前よりもどっしり構えて当たれている。相撲は立ち合いが大きいですから」と、安定感を好調の要因に上げた。

　もう一つ、藤島審判副部長が挙げたのは「精神面」。日馬富士が引退、白鵬、稀勢の里が途中休場し一人横綱となったことも鑑み、「（負傷、休場など）いろいろな経験をして強くなったのではないか。結果を見るとね」とおもんぱかった。優勝争いについては「栃ノ心がどこまでついていけるかだな。鶴竜は負けそうもないね。でも、１差なら何が起こるか分からない」と１敗を守った栃ノ心が食らいついていくことに期待していた。

　鶴竜は４場所連続休場、直近の２場所は全休と今場所の成績いかんでは進退を問われかねない状態だったが、初日から１０連勝と復活を思わせる取り口を見せている。