高梨沙羅「金メダル」宣言!髪もバッサリ ソチは涙の4位「借り返したい」
全日本スキー連盟は11日、来月に開幕する平昌五輪のスキージャンプなど11人の代表内定選手を発表した。ジャンプ女子では、大本命として臨んだ4年前のソチ五輪で4位に終わった高梨沙羅(21)=クラレ=が、悲願の金メダルを目指して2度目の夢舞台に立つ。ジャンプ男子では葛西紀明(45)=土屋ホーム=が、冬季五輪史上単独最多の8度目の出場。夏冬合わせた五輪出場回数でも、橋本聖子を上回って日本で単独最多記録となる。
並々ならぬ決意は、その髪形に表れていた。肩まであった髪を昨年末にバッサリと切り、ショートヘアで内定会見に登場した高梨。「長い時の方が手入れが簡単で、寝癖を直すのが大変なんですけど」と笑いながら、「2018年は勝負の年。2017年の後悔や失敗はすべて置いていこうと思って、年末に切りました。20センチ以上かな」と、2度目の五輪に挑む覚悟を示した。
待ちに待った“リベンジ”の舞台だ。4年前のソチ五輪。新種目となった女子ジャンプ初代女王の大本命として大会に臨んだが、まさかの4位。悔し涙を流した。その後、夢にまで、あの時、ジャンプで失速したシーンが出てきたという。
それでも自分自身と向き合いながら、W杯で男女合わせて史上最多タイの53勝まで積み上げてきた。この4年間、歩みを止めなかった自分のジャンプには、確かな自信がある。「平昌五輪に向けて、その悔しい思いをバネに、試行錯誤しながら励んできた。対応力がついたと思うし、周りを見渡せるようになった。4年前よりも成長した自分がどこまで戦えるか楽しみ」と本番を思い描いた。
今季はここまでW杯4戦で未勝利。アルトハウス(ドイツ)、ルンビー(ノルウェー)の欧州2強が驚異的な成長で台頭し、劣勢を強いられている。それでも、年明けのW杯が雪不足で中止となったこともあり、年末年始は国内で過ごし、しっかりとジャンプの調整を積めた。12日からのW杯札幌大会(宮の森)を前に「自分の納得するところまできてる」と、復調に手応えを感じている。
会見中、目標を聞かれるたびに、よどみなく「金メダル」と答え続けた。何度も何度も、自らに言い聞かせるように。「借りを返したい強い気持ちがある」。瞳にかつてないほど強い光を宿し、沙羅が黄金色の夢へと跳ぶ。