大阪桐蔭 初の決勝で前半17-10とリードも涙…夢の続きは後輩に託す

 「全国高校ラグビー・決勝、東海大仰星27-20大阪桐蔭」(8日、花園ラグビー場)

 大阪勢同士による決勝が行われ、東海大仰星(大阪第2)が初優勝のかかる大阪桐蔭(大阪第1)を27-20と逆転で下し、2大会ぶり5度目の頂点に立った。2トライを決めたWTB河瀬諒介(3年)は、第57回大会(1978年度)に大工大高(現常翔学園)で優勝した元日本代表FWの父・泰治氏(58)との親子優勝を果たした。大阪勢同士の決勝は第78回大会(1998年度)以来19大会ぶり2度目(全国規模で開催されなかった第24回大会を除く)。

 初優勝は届きそうで届かない夢だった。大阪桐蔭のフランカー上山黎哉主将(3年)は「信じられない気持ち」と立ち尽くし、綾部正史監督(42)は「すごく幸せな時間だったが勝たせてやれなかった。本当に勝つのは難しい」と悔しさをかみしめた。

 上山のトライなどで前半を17-10で折り返す。常に先手を取り続ける「予定通りの形」(綾部監督)だったが、後半12分、東海大仰星に大きな展開から3つ目のトライを許すと流れが一変した。持ち味の粘り強いディフェンスが耐え切れず、11分間で3トライを奪われ逆転された。初の花園決勝。勝負を分けたのは経験だった。「この場に慣れているチームとの差。5本も(トライを)取られたことはない。仰星さんの方が上。だから負けた」と、指揮官は潔かった。

 昨春の選抜大会準々決勝で主軸を欠いた京都成章に敗れたことが転機となった。綾部監督は「戦う姿勢が見えない」と指摘。長時間に及ぶ選手ミーティングで自分たちの甘さを痛感し、「一つ一つの意識、姿勢が変わった」と上山は振り返る。

 指揮官から「チーム上山」と絶大な信頼を寄せられた主将を中心に決勝までたどり着いたが、あと1勝が遠かった。「達成感は日本一を取って感じたかった」と、上山はうるんだ目で絞り出した。「この悔しさを忘れず、絶対日本一になってほしい」。夢の続きを後輩に託した。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス