【東田哲也の観戦記】際立った東海大仰星バックスの決定力と走力

 「全国高校ラグビー・決勝、東海大仰星27-20大阪桐蔭」(8日、花園ラグビー場)

 大阪勢同士による決勝が行われ、東海大仰星(大阪第2)が初優勝のかかる大阪桐蔭(大阪第1)を27-20と逆転で下し、2大会ぶり5度目の頂点に立った。2トライを決めたWTB河瀬諒介(3年)は、第57回大会(1978年度)に大工大高(現常翔学園)で優勝した元日本代表FWの父・泰治氏(58)との親子優勝を果たした。大阪勢同士の決勝は第78回大会(1998年度)以来19大会ぶり2度目(全国規模で開催されなかった第24回大会を除く)。

  ◇  ◇

 後半の途中までは、むしろ大阪桐蔭のリズムでした。東海大仰星はフォワード戦で不利でしたし、キック合戦でも劣勢でした。ハンドリングのミスも12~13本は見受けられました。それでも勝ちきれたのは、バックスの決定力と走力が際立っていたからです。

 河瀬君を筆頭に、長田君、谷口君、西村君とバックスで取りました。前半終了間際、スクラムでのミスからトライを許す痛い失点から切り替えたのですから、バックスの力にはかなりの自信があったのでしょう。

 高いディフェンス力も見逃せません。フォワードを中心とした相手のしぶとい攻めを何度となく防いでいました。勝つためにはディフェンスを磨くことが不可欠です。個々の判断と能力の高さは抜けていました。

 河瀬君のキックについては、メンタルな部分がいたずらしたのだと思います。最初のキックが入らないと、変なプレッシャーがかかったり、ネガティブな気持ちになったりするものですから。

 大阪桐蔭はモールを武器に力を出し切りましたし、両校ともに感動を与える試合をしてくれました。この一戦を見た若い人たちが、ラグビーをやることにつながってほしいものです。そしてW杯の盛り上がりにもつながっていくと信じてやみません。(六甲クラブ総監督、元日本代表WTB)

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