宇野2位発進!見えたぞ天下獲り“ハプニング転倒”も「失敗はただ面白かった」

 SPで演技する宇野昌磨
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 「フィギュアスケート・GPファイナル」(7日、日本ガイシホール)

 グランプリ(GP)シリーズ上位6人で争われ、男子ショートプログラム(SP)で、初優勝を目指す昨年3位の宇野昌磨(19)=トヨタ自動車=はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で転倒しながらも、フリップ、トーループの4回転ジャンプを決め、自己ベストに3・36点差と迫る101・51点をマークし、2位につけた。今季GP2連勝のネーサン・チェン(18)=米国=が103・32点で首位に立った。8日はフリーと女子SPなどが行われる。

 思わず笑ってしまった。宇野はフィニッシュポーズとほぼ同時に舌を出し、おちゃめな表情を浮かべた。「悔しさというより…。失敗は、ただ面白かった」。まさかの転倒に苦笑いするしかなかった。

 冒頭の4回転フリップ、演技後半の4回転-3回転の連続ジャンプは完璧に成功。しかし、最後のトリプルアクセルでジャンプの軸がずれ「着地しようと思った地点に氷がなかった」と振り返った。

 練習以上の力が入ってしまう、試合ならではの失敗だ。「演技は自分なりに満足している。ジャンプは、次は成功できるという自信があるので」と、むしろすがすがしい表情で振り返った。

 追いかける背中がなくとも、全力で氷上で舞うだけだった。今大会、ソチ五輪王者の羽生結弦(ANA)はけがの影響で出場権が取れず、宇野は日本のシニア男子で唯一、出場している。そして、開催地は生まれ育った地元名古屋だ。自分の立ち位置は十分理解しており、「期待に応えたい」と、自らを奮い立たせるかのように話していた。

 周囲からの声援は「力になるときと、プレッシャーになるときの両方がある」と考えている。前向きな気持ちで勝負の銀盤に立てるときは前者に、自信がないときは後者になりがち。この日の宇野は前者だった。地元ながら初めて滑るリンクで「ホーム感はない」としていたが「今まで出た試合の中で一番温かい声援だった」と笑みも。声援が後押ししてくれた。

 4年前、日本開催だったGPファイナルを制した羽生が、勢いそのままにソチ五輪で金メダルを獲得した。世界王者への“登竜門”とも言えるGPファイナル。首位との差は、わずかに1・81点。逆転で初の戴冠を手にし、故郷に錦を飾る。

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