白鵬にまた厳重注意 前日“物言い”の醜態さらし「自分の価値下げないように」

 「大相撲九州場所・12日目」(23日、福岡国際センター)

 大横綱が反省の白星だ。横綱白鵬が前日に異例の“1分間抗議”を行ったことで、日本相撲協会審判部から厳重注意を受けて謝罪した。取組ではその影響を感じさせない相撲で関脇御嶽海を一蹴。単独首位の1敗を堅持した。2敗の北勝富士と隠岐の海もともに白星。豪栄道と高安の2大関は敗れた。

 九州場所の混乱に油を注ぐような醜態から一転。結びの一番を完璧な相撲で締めた。立ち合いで右で張った白鵬は、素早く左を差して右上手を取ると、御嶽海に何もさせず一気の寄り切り。文句なしの白星を挙げた。

 騒動から一夜明けての取組に「いつもの感覚という気持ちで土俵に入った」という白鵬。「(前日のことは)内容的には引きずっていない。いいところを取れたんでね。後は前に出るだけだった」と冷静に振り返った。

 前日は嘉風に敗れた後に自ら物言いをつけ、約1分間に渡って立ち合い不成立を主張。異例となる不服の態度を示し、場内を騒然とさせた。この日は普段より1時間以上早く場所入りして審判部に赴く殊勝な態度を見せ、伊勢ケ浜審判部長代理(元横綱旭富士)、藤島(元大関武双山)と山科(元小結大錦)の両副部長から口頭で厳重注意を受けた。

 伊勢ケ浜部長代理が「(物言いは)控えの力士しか(手を)挙げてはいけないルールがある。自分の価値を下げないようにしないと」というように、大横綱のまさかの行動は、初歩的なルールを理解していなかったことが原因。「(本人は)反省しているし、ちゃんとやるでしょう」と“更正”を期待し、これ以上の処分は下さない意向だ。

 ただ厳重注意は相撲協会の規則を定めた寄附行為にない措置で、正式な処分ではない。これまでも幾度も厳重注意を受けてきた白鵬は「今後気をつけますと報告しました」と説明。さらに「ファンのみなさんも横綱のああいう相撲を見たくないでしょう。申し訳ない」と謝罪の言葉を述べて場所を後にした。もう同じことは繰り返すわけにはいかない。

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