貴乃花親方は無言 春日野親方は再度の聴取を否定「何回も聞くことじゃない」

 横綱日馬富士(33)=伊勢ケ浜=から暴行を受けた貴ノ岩(27)=貴乃花=の診断に関し、日本相撲協会側の見解と食い違いを見せる師匠の貴乃花親方(45)=元横綱=は18日、報道陣の質問にも無言で会場の福岡国際センターを後にした。

 広報部長の春日野親方(元関脇栃乃和歌)は貴乃花親方を呼び聴取することに「以前に聞いた。何回も聞くことじゃない」とし、14日に1度、聴取していることを強調。「うそを言うことはできない。(八角)理事長の前で言ったんだから」と話した。

 事件は貴ノ岩が10月25日、鳥取でモンゴル人らの集まった宴席で日馬富士から態度を注意され、20~30発殴打された、というもの。貴乃花親方は10月29日に被害届を出したが、11月3日の協会からの聴取に対し、「分からない」などと答えた。

 初日から休場した貴ノ岩は「脳振とう、左前頭部裂傷、右外耳道炎、右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑いで全治2週間」の診断書を提出していた。14日、暴行事件が発覚した際、同親方は協会から事情聴取され、「(貴ノ岩は)ビール瓶で殴られた。頭が割れている。相撲を取る状況じゃない」と説明していた。

 しかし、協会の危機管理委員会が診断した医師に確認したところ、頭蓋底骨折、髄液漏れもともに疑いで、重傷ではなかったことが判明。初日から出場が可能な状態だった、とも明かされた。

 貴乃花親方が語っていた説明とは大きく食い違い、事件の混迷が深まっている。

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