稀勢の里“鬼門”初日を乗り越える 2場所連敗中「集中して」突破だ

 「大相撲九州場所」(12日初日、福岡国際センター)

 左上腕部などの負傷で3場所連続休場の横綱稀勢の里(31)=田子ノ浦=が11日、福岡国際センターで土俵祭りに参加し、再起へ向け緊張感を高めた。初日の玉鷲、2日目の21歳の新小結阿武咲は強烈な押しを武器とする難敵。同箇所の故障を抱えて以降、夏、名古屋場所とも初日は黒星発進しているだけに、八角理事長(元横綱北勝海)も“鬼門”の序盤突破を復活へのカギに挙げた。

 初日の玉鷲を問われると稀勢の里は「集中して」と一言。2日目の阿武咲にも「集中して」と繰り返した。いよいよ始まる復活舞台への緊張感。言葉少なないつもの“稀勢節”は勝負モードに入った証しだった。

 やるべきことをやった自信がある。秋巡業にフル参戦し、じっくりと体を作り上げてきた。「しっかり準備できた。いい状態で九州に入って、しっかり一日一日集中できた」

 稽古では伝家の宝刀の左おっつけを解禁。弟弟子の大関高安と番数を重ねた。二所ノ関一門の連合稽古ではスピードのある相撲巧者の嘉風(尾車)も攻略し臨戦態勢を整えた。

 師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)は「体はできている」と故障後、一番の状態であることを実感。ただ一方で「トレーニングと相撲は全然違う。同じ相手としか取らなかった」と口にした。

 玉鷲、阿武咲ともに馬力自慢の突き押し相撲。このタイプは場所前の稽古で体感していない。八角理事長は「(全休した影響は)白鵬より稀勢の里に出る。稀勢の里は勝ちパターンが少ないから乗り切るのが難しい。本場所と稽古場の違い、その辺の感覚だね。初日、2日目は大事になる」と、序盤をカギとみた。

 稀勢の里は故障後、夏、名古屋場所とも初日は黒星を喫して4日目までに2敗し、結局途中休場した。今場所も再起かなわず4場所連続休場なら進退問題すら浮上しかねない。「不安?あとはしっかりやれれば」。まずは鬼門の初日を突破し周囲の不安を一掃する。

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