加藤条治が存在感 男子500メートル4位に「困惑してます」
「スピードスケート・全日本距離別選手権」(20日、長野市エムウェーブ)
平昌五輪シーズンの初戦が開幕し、男子500メートルでは日本記録保持者で、10年バンクーバー五輪銅メダリストの加藤条治(32)=博慈会=が、トップと0秒18差の35秒10で4位となり、存在感を示した。
男子短距離の第一人者が、五輪シーズン初戦でしっかりと“魅せた”。最初の100メートルを9秒67で入ると、その力強い滑りは健在。最終コーナーで大きく膨らむロスもありながら、全体4位のタイムを刻んだ。長年所属した日本電産サンキョーを退社し、心機一転の今季。痛みを抱える膝の状態を考慮しながらの調整で、まだ氷上練習が不足した状態だった。設定していたタイムは35秒50。思わぬ好タイムに「思ったより体が動いて、タイムが出てしまった。困惑してます。こんなに出る予定じゃなかったんですけど。中途半端に出てしまった」と、苦笑いを浮かべた。
当初は12月末の五輪代表最終選考会まで国内で調整する予定だったが、この結果でW杯前半戦派遣の有力候補に。「正直、ゴールしてそれをすごく考えた。W杯をフルに回りながらの調整はタフになる。ちょっと考えます」と、頭を抱えた。
ただ、いまだ国内トップの力を保持していることは示してみせた。4大会連続の五輪出場を目指すベテランは「自分はまだまだ34秒台中盤も出せると思う。12月の選考会までに形を作って、代表権をとって、五輪で爆発できるようにしたい」と、力を込めた。