伊達公子、初戦敗退で2度目の現役に幕 0-6、0-6も死力「とうとう終わって…」

引退セレモニーを終え観客に笑顔で手を振る伊達公子=有明テニスの森公園(撮影・開出牧)
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 「テニス・ジャパン女子オープン」(12日、有明テニスの森公園)

 今大会が現役最後となる元世界4位の伊達公子(46)=エステティックTBC=が、世界67位のアレクサンドラ・クルニッチ(24)=セルビア=とシングルス1回戦を行い、0-6、0-6とストレートで敗れた。試合時間は49分間だった。89年にプロデビューし、96年に1度目の引退。そして、08年から約9年間にわたったプロ2度目の挑戦に幕を下ろした。

 屋根もない、有明テニスの森公園の1番コートに温かい拍手が響いた。雨天の影響で試合実施が危ぶまれていたが、午後4時11分に試合開始。手を挙げて入場した伊達は上下オレンジ色のウエアで臨んだ。

 第1セットからテニスの内容は苦しかった。相手サーブの第1ゲームは1ポイントも取れずに落とした。第2ゲームはドロップショットとロブのコンビネーションで相手を前後に揺さぶってから強打をたたき込み観客を沸かせたが、ジュースに持ち込まれた末にブレークを許した。第3、第4、第6ゲームは1ポイントも取れず。0-6で第1セットを落とした。

 第2セットは最初にサーブの順番とコートに立つ位置を間違え、苦笑いするハプニングもあった。1ポイント取るごとに観客から大きな歓声が上がり、ゲームを落としても「頑張れ!」「1本!」と激励が飛んだ。第5ゲームにははた目にも体力的につらそうな表情もかいま見せたが、最後まで死力を尽くした。

 第2セット、第6ゲーム。30-40から最後のショットをネットにかけて、伊達の最後の試合が終わった。クルニッチとは笑顔で抱き合い、四方の観衆に晴れやかな表情で手を振った。

 続けて行われた引退セレモニーでは、涙ながらにスピーチをした。「とうとう終わってしまいました。やっぱり、寂しい気持ちの方が強いかなと思います」と語り「今日は100%にはほど遠いプレーになることは分かっていた」と告白。「自分のプレーがなかなか出ない中でも、自分なりには1ポイントでも多く、自分らしいプレーができるようにと、最後の最後まで思い続けてコートに立ち続けました」と振り返った。

 そして、「プレーヤーとしてコートに立つのは、これが最後の瞬間になってしまいますけども、1度目の引退のようにテニスは十分、ラケットも握りたくない、という日はないと思いますので、会場にも足を運んで、皆さんと同じ立場で一緒にテニスを見続けていたいなと思います」と今後もテニス界を見守り、ともに歩んでいくことを誓った。

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