サニブラウン史上最年少200m決勝進出 ボルト超えの18歳5カ月

 「陸上・世界選手権」(10日、ロンドン競技場)

 男子200メートル準決勝が行われ、サニブラウン・ハキーム(18)=東京陸協=が20秒43で2組2着に入り、日本勢では2003年に銅メダルを獲得した末続慎吾以来14年ぶり2人目の決勝進出を決めた。同種目で18歳5カ月での決勝進出は、あのウサイン・ボルト(ジャマイカ)の18歳11カ月を更新する史上最年少記録。リオデジャネイロ五輪代表の飯塚翔太(26)=ミズノ=は、20秒62の1組5着で敗退となった。

 この18歳は本当に“ネクスト・ボルト”なのかもしれない。世界の強豪をなで切りにし、同種目で05年ヘルシンキ大会のボルトを超える最年少でのファイナル進出。世界に衝撃を与えたサニブラウンは「ラッキーって感じ。ファイナルの実感はあんまりないっすね」と、あどけなく笑った。

 予選で失敗したスタートを決め、一気に勢いに乗った。大外の9レーンから、コーナーを抜けた時には堂々の先頭。終盤も大きなストライドで伸びをみせると、最後は流す余裕すらみせて2位を確保した。競り勝った相手は、ロンドン五輪銀メダリストで、世界歴代2位の19秒26を誇るブレーク(ジャマイカ)。その激走に、数々の金メダリストを育てたレイナ・レイダーコーチも「アメイジングだ。最後に全力ではなかったのも素晴らしい」と、目を丸くした。

 “ボルト超え”は、これでもう2度目だ。2冠を達成した15年世界ユースの200メートルでボルトの大会記録を更新している。ただ、将来的に世界の頂点を目標にする男は、その偉業に意味を見いださない。「そうなんですか?でも最年少で出たところで、戦えないと意味はない」と、あっけらかんと言ってのけた。

 世界最高峰の舞台で4レースを消化し、右太もも裏には強い張りがある。準決勝の前には、チームメートで男子三段跳び五輪2連覇のテイラー(米国)からもらった軟こうで、ケアをして臨んだ。

 「100メートル準決勝で、バランスを崩した時に負荷が掛かった。でもやれない痛みじゃない。決勝は足がもげても、ゴールする。先頭争いに食らいついて、メダルのラインに体をたたき込めれば」

 人類最速の男・ボルトの現役最後の大会。卓越した身体能力に、強烈な闘争心、大一番での勝負強さに、不敵でキレのあるコメント力-。無限のポテンシャルを秘める日本の18歳には、その“後継者”となり得る資質がある。

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