御嶽海が殊勲星!偉業達成がかかる白鵬の偉業止めた いざ大関とりへ 

 白鵬(左)を寄り切りで破る御嶽海
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 「大相撲名古屋場所・11日目」(19日、愛知県体育館)

 新関脇御嶽海が歴代1位の通算1047勝に王手をかけた横綱白鵬を初撃破した。結びの一番で過去4敗1不戦勝の相手を寄り切って完勝。長野出身、準地元で大記録を阻止する殊勲星で勝ち越しを決めた。白鵬は初日からの連勝が10でストップしたが、1敗の碧山も敗れたため単独トップは変わらず。元大関魁皇(現浅香山親方)に並ぶ最多勝利は12日目の関脇玉鷲戦に持ち越された。

 1047勝目前の白鵬を、御嶽海が止めた。座布団が乱舞し、歓声がとどろき、拍手が鳴りやまない準地元会場を、34本の懸賞(手取り1本3万円)をわしづかみにした殊勲のホープは夢心地で引き揚げた。

 過去4敗(1不戦勝)と歯が立たなかった横綱を完ぺきに封じた。張られて左差しを許したが右上手が強かった。強引に振り回して追い込んだ。右から締め上げ、腰を浮かせると一気に寄り切った。

 「めっちゃうれしい。横綱もこの一番にかかっていたと思う。緊張感は伝わってきた。よく体が動いてくれた。自信はまるっきりない。(記録より)まず自分のこと。これで自信になったらいい」と、興奮しきり。

 初日の稀勢の里に続き2横綱を倒して新関脇で8勝目。2桁星なら大関とりの足がかりになる。乗ってる24歳は今場所、強気の発言を繰り返してきた。

 7日目、人気業師の宇良を一蹴。北勝富士を含めた同級生を意識するかの問いに「意識するのは(2人が)もう少し番付を上げてからじゃないですか」と言い切った。9日目、琴奨菊を変化で下した時に飛んだヤジには「勝たないといけない。お客さんを相手にしていない。それ(ヤジ)が怖いならそこまで」と気にしなかった。

 この日の朝稽古では「横綱に記録をどうぞって渡すわけにはいかない。今場所はいつもよりスキがありそう。見てて立ち合いの変化が多くなった」。気後れは全くなかった。「勝たないと前に、上に進めない。何が何でも勝たないと。いい相撲じゃ意味がない」と闘志をたぎらせていた。

 ともに母がフィリピン出身の新大関高安とは公私ともに親交が深い。兄貴分に「追い付きます」と次の大関とりを宣言している次世代のスター。偉大な横綱を足踏みさせ、世代交代がそれほど遠くないことを印象付けた。

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