稀勢の里「ほぼいい状態」高安相手に9勝6敗 新大関の馬力受け止め手応え

 「大相撲名古屋場所」(7月9日初日、愛知県体育館)

 左上腕部などの負傷で夏場所を途中休場した横綱稀勢の里(30)=田子ノ浦=が27日、愛知県長久手市内の宿舎で本格稽古を再開した。新大関の高安(27)と三番稽古を行い、精力的に15番を取り9勝6敗。代名詞の左おっつけもさく裂させ、馬力自慢の弟弟子をのけぞらすなど、完全復調を見せ付けた。

 患部の回復、スタミナともに稀勢の里が不安を一掃した。6勝6敗で迎えた13番目、ギアが上がる。代名詞の左おっつけが重戦車・高安をはね上げた。体勢の崩れた相手を楽々と押し出し。そのまま3連勝で圧倒し、計15番を貫禄で締めた。

 「徐々に良くなってきている。(この時期に)高安とやるってことはだいぶ上がっているということ」と充実感を漂わせた。

 場所前に弟弟子と番数をこなし状態を上げるのが調整法。ただ先場所前は左上腕部の負傷のため、その恒例の三番稽古を回避。2週間前はまだ三段目相手に感触を確かめる程度しかできなかった。

 今場所は名古屋入り前にすでに高安と相撲を取り、出稽古も繰り返した。この日も新大関の馬力を受け止めたことが何より収穫だ。

 横綱審議委員会からは完全に治るまでは休場を勧める声もある。時折、左肩付近が痛そうなしぐさも見せ、完治はしていないのは確か。それでも「休んで良くなるなら休みたいけど、今は最善のことをする」と出場へ強烈なプライドをにじませる。

 故障を抱えながら、戦って勝ってみせる。「切れ味、感覚が戻ればおもしろい。ほぼいい状態」。初日へ照準ピタリ。周囲を黙らせる復活Vロードに狂いはない。

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