末続が9年ぶりに出場 予選落ちも「幸せ」と感激

 走り終え、手を合わせる末続慎吾
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 「陸上・日本選手権」(24日、ヤンマースタジアム長居)

 五輪メダリストが会場を沸かせた。男子200メートル予選では、03年に日本記録20秒03をマークし、08年北京五輪400メートルリレー銀メダルメンバーの末続慎吾(37)=SEISA=が9年ぶりに出場。2組8位の21秒50で通過はならなかったが、会場からは大きな拍手が送られた。

 男子200メートルの日本記録保持者、末続が9年ぶりに日本の頂上決戦に帰ってきた。200メートル予選に臨み21秒50の8位で予選落ち。「マッハ」と呼ばれた加速でコーナー付近までサニブラウンらとトップ争いを繰り広げた。終盤一気に抜かれて2組の最下位に終わったが「今できるベストの走り。楽しかった。幸せでした」と笑顔で汗をぬぐった。

 2003年に20秒03の日本記録を樹立。同年の世界選手権3位、08年北京五輪の400メートルリレーで銅メダル(今年銀に繰り上げ)と短距離界のエースに君臨した。しかし「08年頃から走ることに対して何も感じなくなった。心が冷えていた」と長期休養。12年ロンドン五輪も代表落ちし、所属先のミズノも15年に退社した。地元熊本と東京を拠点に競技を続け、今回は参加標準記録の突破から9年ぶりに出場権を得ていた。

 レース前、大型スクリーンに映る自身の姿に観客の大声援が起こると、拝むように手を合わせて感謝した。「僕のことを知らない人もたくさんいたと思うけど、僕の歩みを感じてくれたのかな」。進退については「しばらく今日の一日に浸りたい」と言うにとどまったが「走ることは魂」と末続。大好きな“かけっこ”ができる喜びを再確認したようだった。

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