中山正純&伏見清也 香川の空手日本王者が世界へ殴り込みだ

 4月末に行われた極真空手の全日本ウエイト制選手権大会で、ともに香川県まんのう町の「極真空手中山道場」に所属する中量級の中山正純(23)と重量級の伏見清也(25)が初優勝し、12月初旬(予定)にロシアで開催される世界大会への出場権を手にした。同じ道場で切磋琢磨(せっさたくま)する2人は海外大会初挑戦。「世界一」を目標に入念に準備を進めている。

 世界の大舞台をにらみ、厳しい鍛錬を積んでいる。4月30日に埼玉県内で開かれた、フルコンタクトの全日本ウエイト制空手道選手権で中量級を制した中山と、重量級で頂点に立った伏見。ともに極真空手中山道場に所属する2人が、ロシアで12月初旬ごろ開催予定の世界大会に出場する。

 23歳の中山は同道場の中山敏之代表(51)の長男。5歳のときに空手を始め、父の指導のもと稽古に取り組んできた。その一方で、琴平高卒業後は香川短大こども学科に進学。幼稚園教諭となり、現在は琴平町内の幼稚園で年中クラスを教えている。

 昼はピアノを弾きながら園児と歌を歌ったり、エプロン姿で粘土細工をしたり、虫をつかまえたり。仕事が終わると道着を身にまとい、鋭い眼光で稽古に励む。朝は6時に起床。こんぴらさんの階段を走って上ったあとに出勤するのが“ルーティン”だ。

 「幼稚園と空手は別世界。毎日忙しいけど、空手がリフレッシュにもなるし、充実しています」。念願の全日本選手権優勝は「継続の力だと思う。親孝行ができました」と中山。突きやローキックを得意とし、スタミナも持ち味。世界大会に向け「目標は優勝。世界で一番強い幼稚園の先生になりたい」と意気込み十分だ。

 一方の伏見も「目標は世界一」と力強い。空手を始めたのは18歳のとき。スポーツ経験はほとんどなかったが「先輩に誘われて」中山道場に入門し、「強さだけじゃなく、礼儀も身について社会で役立つ」と空手の魅力にはまった。昼間は建築関係の仕事に従事しており「力仕事だからトレーニングにもなる」と話す。

 174センチ、97キロ。日本人選手の中では見劣りすることのない体格だが、世界の重量級には2メートル近い長身選手や100キロをはるかに超える選手がたくさんいる。「身長差は大きな不利。突きが上から来る感じになるし、相手のひざ蹴りが顔に当たりやすいので」。得意技は「下段回し蹴り」。大型選手との対戦を想定し「戦い方を研究しなければ」と冷静に語った。

 両選手とも海外での大会は初挑戦。2人を指導する中山代表は「悔いのない戦いをして、日本一小さい県から世界一の選手になってほしい」とエールを送った。熱い期待を背に世界大会に乗り込む。

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