稀勢の里 3場所連続V絶望 張り差しで墓穴…なすすべなく3敗目

 「大相撲夏場所・9日目」(22日、両国国技館)

 左上腕部などに負傷を抱える横綱稀勢の里は平幕栃煌山に寄り切られ、3場所連続優勝が絶望的となる3敗目(6勝)を喫した。2つ目の金星を配給し、患部の状態次第では休場危機にも立たされた。栃煌山は4つ目の金星獲得。横綱白鵬が碧山を上手出し投げ、横綱日馬富士は玉鷲を寄り切って、初日から9連勝でトップ並走。大関とりに挑む高安が勝ち越しを決め、ただ1人、1敗で全勝の両横綱を追う。

 前日までとは別人の稀勢の里だった。右で張って左差し狙いは大失敗。両脇ががら空きとなり、栃煌山にもろ差しを許した。下から攻め立てられ体が起きて棒立ち。なすすべなく、土俵を割った。

 5日目から4連勝と徐々に乗ってきたはずが一転、今場所最悪の内容。取組前まで対戦成績は25勝14敗と圧倒はしておらず、苦手意識が出た形になった。

 支度部屋では目を閉じ悔しげな表情。立ち合い、張り差し、V争い、今後の出場と、いくつも質問を浴びたが最後まで無言を貫いた。

 トップと3差。1937年双葉山以来80年ぶりの初Vから3連覇は絶望的になった。八角理事長(元横綱北勝海)は「張り差しも読まれていた。3敗は厳しい。しかし数字上は優勝の可能性が残っているから頑張らないとね」と奮起を促した。

 幕内通算勝利数は歴代7位の貴乃花にあと4勝に迫る。朝稽古では「レベルが違う。あれだけ休場してもあの回数ですから足元にも及ばない」と偉大な先輩横綱の記録に恐縮。それでも無事に出続けるからこその勲章。「頑張ります」と気合を入れていたが全身は満身創痍(い)だ。患部に加え帰り際には右太ももを気にしていた。

 10日目は入門以来のライバル、琴奨菊と史上最多64度目の対戦。左おっつけが使えない中、惨敗を喫するようなら休場ピンチに陥る。

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