稀勢の里、春巡業強行も 奇跡V一夜明けで“鉄人宣言”

 大相撲春場所で左肩周辺の負傷を押して強行出場し、大逆転での劇的な2場所連続2度目の優勝を果たした稀勢の里(30)=田子ノ浦=が27日、大阪市内の宿舎で一夜明け会見を行った。不屈の土俵魂で列島を沸かせた鉄人横綱は4月2日、伊勢神宮から始まる春巡業参加にも「横綱の使命」と強い意欲を見せた。

 列島を驚がくさせた鉄人横綱に一夜明けてもビックリだ。誰もが休場でやむをえないと思った春巡業。稀勢の里は「巡業に出るのも横綱の使命と思っている。いけるのなら出る方向で」と、参加する気満々で言い切ったのだ。

 13日目に左肩周辺を負傷。前日、千秋楽では上腕二頭筋の内側が広範囲にうっ血していた。そんなボロボロの体で本割、優勝決定戦と大関照ノ富士に連勝し、史上8人目の新横綱優勝を果たした。

 4月2日、伊勢神宮で始まる約1カ月の春巡業。故障箇所などは明言しなかったが、「(痛みは)ほぼほぼない。2日相撲を取れたので大したことない。まあ大丈夫」と自らはGOサイン。病院で検査を受け、最終判断することになる。

 「忘れられない大阪場所になった。一生の思い出」。始まりも終わりもまさに“稀勢フィーバー”。「今までの土俵生活とまったく違うもの」と環境の違いに疲労はいつも以上だ。それでも綱の誇りが力の源になった。

 「横綱土俵入りも終わると気持ちが引き締まる。今までと違う感覚だった。一回一回、綱を締めるたびに体が清められる」

 先代師匠の鳴戸親方(元横綱隆の里)に並ぶ新横綱優勝。「横綱は見える景色が違う」と師匠が話していた意味には「いや、まだまだ。まだ1場所やっただけですから」と話し高みを目指すのみだ。

 来場所は角界の頂点、東の正横綱に座る。「もちろん相撲界に入った以上、そこを目指してやってきた。満足することなく、もっと上を目指す。維持するというのではなく、一つ一つまた階段を上がっていく」。重圧、逆境を乗り越えた稀勢の里に、大横綱の風格が漂い始めた。

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