横審、照ノ富士の頑張り評価「少しは言ってあげないと」 綱とりは慎重

 日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会が27日、両国国技館で会合を開いた。横綱稀勢の里に逆転優勝を許したものの、膝を痛めながら場所を盛り上げた大関照ノ富士について、評価する声があった。

 作曲家の都倉俊一氏は稀勢の里の逆転劇に「素晴らしいエンターテインメント。自然のドラマですよね。つくったシナリオじゃないしね。これでしばらくは切符がとれないね」とにこやかだったが、同じく場所を戦い抜いた照ノ富士も評価した。

 かど番の場所で13勝2敗と優勝次点の好成績。「照ノ富士も頑張ったという話はした。琴奨菊に飛んじゃったっていうの(立ち合いでの変化)があって彼は悪者、こっち(稀勢の里)はヒーローになったけど。照ノ富士はかなり足(膝)が悪い。少しぐらいは言って(評価して)あげないと」と健闘をたたえた。

 北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)も「最後まで優勝争いに残ったのは照ノ富士だけ。他の横綱にももう少し奮起してもらわなきゃいかんけど。照ノ富士も回復しつつあるとはいえ、膝がまだ悪いみたいで、その中で今場所はずいぶん(頑張った)」と評価した。

 ただ、来場所が綱とりとなるか、という点については厳しい見通しだった。昨年は8勝7敗が3場所。負け越しが3場所と苦しみ続け、初場所も4勝11敗と大きく負け越しているため、優勝争いに絡み続け69勝で年間最多勝に輝いた稀勢の里とは状況が異なる。

 北村委員長は「(内規に)書かれている通りに優勝、準優勝したらみんな横綱となれば横審なんていらないわけです。前後の成績、過去何場所かにわたってどういう成績だったかというようなことを勘案して判断していくわけですから」と語り、安定した成績を残さないと議論にならないかという質問に「そういうことです」と語った。都倉委員も「かど番だったわけで。年間の勝率も考えるべきなのかなあ」と私見を述べた。

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