阿部詩“レベルが違う”全国高校選手権で初優勝

 「柔道・全国高校選手権」(19日、東京・日本武道館)

 女子52キロ級は、2月のグランプリ・デュッセルドルフ大会でワールドツアー最年少優勝を果たした阿部詩(16)=兵庫・夙川学院高=が初制覇し、「優勝を狙っていたのでよかった。高校生のタイトルを獲っておきたかったのでうれしい」と笑顔を見せた。

 「レベルが違うな、こりゃ」。関係者席から感嘆の声が漏れるほどの圧勝劇だった。決勝は開始わずか21秒。兄・阿部一二三(日体大)譲りの袖釣り込み腰をさく裂させ、豪快に一本勝ち。「決勝はやっと思い切りいけて、いい試合ができた」と胸を張った。

 序盤はぎこちなかった。「同じ高校生には負けられないという気持ちがあって緊張した」。脳裏によぎったのは、昨夏のインターハイ1回戦で反則負けした悪夢。前夜は布団に入ってから1時間寝付けなかった。

 投げ技で決められない分、苦手にしていた寝技が冴えた。初戦の2回戦は2分16秒肩固め、3回戦は47秒上四方固め、4回戦は52秒腕がらみで3連続一本勝ち。出稽古で特訓した成果を出し、「寝技は自分でもびっくりするほどよかった」と自賛した。

 応援に訪れた兄・一二三からは「俺は高校1年で優勝してるから」とプレッシャーをかけられつつ、買ってもらったジュース2本を力に変えた。夙川学院高の松本監督は「試合で強さを発揮できるのがやっぱり阿部家」ときょうだいを重ね合わせ、「(詩は)われわれの想像以上のスピードで成長している」と目を細めた。

 夏の世界選手権代表選考会を兼ねた4月の全日本選抜体重別選手権(福岡)まで残り2週間。さらに勢いづく16歳の逸材は「今回と違って選抜は向かっていくだけ」と快進撃を誓った。

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