羽生 転倒、回転不足あり…うれしくも悔しい前人未到のV4

 「フィギュアスケート・GPファイナル」(10日、マルセイユ)

 うれしくて悔しい4連覇だ。男子フリーで羽生結弦(22)=ANA=はジャンプでの転倒もあって187・37点。3位だったが、ショートプログラム(SP)との合計293・90点で男女を通じて史上初となる4連覇を達成した。

 実は闘志に火がついていた。世界最高記録に涙を流してから1年、羽生は穏やかな表情で得点表示を見つめていた。自身の記録を塗り替える大会史上初の4連覇に「すごくうれしい。ショート、フリーの合計点数が結果なので」。こうは言ったが本音は微妙に違う。「(フリーの)3位は非常に悔しいです。反省点だらけ」。断トツだったSPから一転してフリーは3位。合計で1位になっても素直に喜べなかった。

 『鬼門』から崩れた。今季から取り組む冒頭の4回転ループ、続く4回転サルコーも決めた。だが、後半に入った直後に予定している連続ジャンプの一つ目、4回転サルコーで転倒。前戦のNHK杯でも転倒したポイントだ。

 直後の4回転トーループこそ決めたが、最後の3回転ルッツが1回転になるなど、らしくない演技。フリーの得点はNHK杯の197・58点に遠く及ばない187・37点。残り2人のフェルナンデス(スペイン)とチャン(カナダ)がミスを連発したことで、何とか偉業を達成できた。

 試合後の会見も反省会だ。転倒した4回転サルコーについて聞かれると「練習では跳べている。もっと感覚を研ぎ澄まして最初のサルコーに近づけるべきなのか、考えを変えて違う4回転だと思うのか、この1週間でやってみたい」

 今季は、昨季から4回転を1つ増やして4つにする演技構成。あえて難易度を上げてモノにできなかった。だから悔しい。ただ、攻略へ目を輝かせたのも羽生らしさだった。

 「点数を上げて誰からも追随されないような羽生結弦になりたいと思っている。この前半戦は自分の中で最悪だったと思うくらいめちゃくちゃ悔しい。(今季の演技構成は)来シーズンに完成させればと思っていたけど、今の悔しさ的には今シーズンの後半には完成させたいと思っている」

 目指すのは影すら踏ませない絶対王者。また新たな挑戦が幕を開けた。

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