野村氏の金言「悔しさをバネにせよ」 柔道界のレジェンドが強さの秘けつ伝授

 アトランタ、シドニー、アテネの五輪3大会連続で金メダルを獲得した柔道男子の野村忠宏氏(41)が14日、2020年東京五輪に向けて大塚製薬が実施する「ポカリスエット エールと、ともに。ブカツ応援キャラバン」の一環で香川県高松市の高松商高を訪問。講演と柔道部での指導を行った。講演では全校生徒に熱いエールを送り、柔道部員には自身の得意技である背負い投げのコツなどを伝授した。

 大きな可能性を秘める若者たちに、柔道界のレジェンドがエールを送った。高松商で開かれた「-ブカツ応援キャラバン」。壇上に上がった野村氏は、全校生徒約900人に熱く語りかけた。

 決して順風満帆ではなかった37年間の柔道人生。「子供のころは体が小さくて弱かった。中学の試合では女の子に負けたこともある」と振り返り、「みなさんも悔しさをどんどん経験してほしい。悔しさをバネに変われる人間が本当に強くなれる」と激励。高校まで全国的には無名の選手だったと話し、「自分には才能がないと思ったけど、大好きな背負い投げを磨けば強くなれると信じていた。未来の自分に期待してチャレンジを続けた」と語った。

 アトランタ、シドニー、アテネと、五輪3大会連続金メダルの偉業を達成した野村氏。シドニー五輪後の2年間、柔道から離れた時期についても触れ、「自由で楽しい時間を過ごしたが、むなしさも感じた。『今しかできないことは何か』と考えたとき、答えはオリンピック3連覇に挑戦することだった」と回想。

 最後に「みんなが持っている無限の可能性を広げるために、高校生活の限られた時間を精いっぱい楽しんでほしい。そして一生続けたいと思えるものに出会ってほしい」と生徒たちにエールを送った。

 講演のあとは道着を身にまとい、柔道部を直接指導した。野村氏は基本練習の「打ち込み」の重要さを強調し、自身が得意としてきた背負い投げのコツを伝授。「背負い投げは3歩で入った方が低く、深く入れる」「引き手は小指で引っかけるように」「つり手は高いところを持て」など、足の運びや手の動きなど細部にわたって指導した。

 野球部やハンドボール部が全国で活躍するなど、部活動が盛んな高松商。柔道部も全国大会の常連で、現メンバーは「インターハイ団体8強」を目標に掲げている。約1時間半のレッスンを終えた野村氏は「目標を達成するために、試合に直結する練習をしてください」とアドバイス。中橋克彦主将(2年)は「野村さんの言葉は説得力が違った。体の動かし方や練習方法がすごく参考になった。これを生かせるように頑張りたい」と目を輝かせながら話した。

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