パナ3連覇 超死闘の1点差で大熱狂

 「ラグビー・トップリーグ・プレーオフ決勝、パナソニック27-26東芝」(24日、秩父宮ラグビー場)

 パナソニックが、04-06年度の東芝以来となるトップリーグ3連覇を達成した。優勝は前身の三洋電機時代を含め4度目。日本選手権(31日・秩父宮)で、学生王者の帝京大と対戦する。3位決定戦はヤマハ発動機が神戸製鋼を26-22で下し、FB五郎丸歩(29)は2月からの世界最高峰リーグ、スーパーラグビー(SR)参戦前の最後の試合を白星で飾った。

 移り気な勝利の女神は、最後の最後にパナソニックに微笑んだ。ラストワンプレーで、東芝に1点差に詰め寄られるトライを奪われ、ゴールを決められれば、逆転負けの大ピンチ。ハイパントの処理を誤り、トライを許したHO堀江主将は「やってもうたと思った。僕は下を向いて願うだけでした」。願いは通じ、キックが外れ、3連覇が決定。地獄と天国をさまよった選手たちは歓喜の雄叫びを上げた。

 結果は薄氷だが、王者の総合力が際立った勝利だ。昨年まで2季連続リーグMVPのバーンズに代わり、プレーオフから先発起用されたSOパーカーがこの日も4本のキックを全て成功させ、プレーオフ24本中24本と成功率100%を達成。W杯組のSH田中が鮮やかな突破でトライを演出し、FW陣も強力な相手FWとの肉弾戦に一歩も引かなかった。

 3連覇の要因をディーンズ監督は「選手個々にリーダーシップが備わってきた」と分析する。堀江、田中、山田らW杯組が抜けている間、控え組がチームを支えた。スーパーラグビーで5度の優勝を経験している名将の意見も、時に選手側ではねつける時もある。「選手が『それはいらんやろ』と言っても、聞いてくれる。監督が選手の意見を聞いてくれる」と堀江。チームとしての完成度で他の追随を許さなかった。

 空前のラグビー人気で観衆は2万4557人。超満員のスタンドを見て、田中は泣いた。「これが僕が見たかった光景でした」。今季の日本ラグビーを象徴する歴史的死闘。選手の最後の一人がピッチを去るまで、拍手がやむことはなかった。

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