控えめな17歳宮原知子が2連覇達成

 「フィギュアスケート・全日本選手権」(27日、真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)

 女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)1位の宮原知子(17)=関大高=が国際スケート連盟(ISU)非公認大会ながら“自己ベスト”の合計212・83点を出し、2012年の浅田真央以来14人目の連覇を達成した。

 「硬かったかな?」という冒頭の3連続ジャンプは、3つ目の2回転ループで回転不足をとられた。しかし、その後はすべてのジャンプで加点を得る内容で、SP、フリーともほぼノーミスの完全V。「普段の曲かけ練習からミスのないようにしてきた」と完璧を目指す姿勢が結実した。

 連覇がかかる舞台には、憧れで目標でもある浅田真央が帰ってきていた。またジュニアの台頭もある中で、17歳の前年女王にかかる重圧は計り知れない。演技前には7歳から指導を受ける浜田美栄コーチとおでこを合わせ「絶対に大丈夫」と自らに言い聞かせた。

 ピンクの衣装で初恋がテーマというフリー曲リストの「ため息」の世界観を表現した。なめらかなスケーティングと安定感のあるジャンプで観客を引き込んだのは実感できたようで、「気持ちよく滑ることができた。(初恋)表現できたかな」と初々しく笑った。

 氷を降りると、元来の控えめな性格に戻る。浜田コーチは「普段は片隅でお弁当を食べている。小さい子たちにも隅へ追いやられる」と笑う。一方で「努力の才能はすごい。これだけ努力すれば普通の子でもここまで来られると、私が教えてもらった」と言う。

 盤石の2連覇にも、17歳の女王が胸を張ることはない。「シーズンの最初の頃に比べると、何となく自信があるような…」と、いつもどおり恥ずかしげに自らの成長を口にした。

 ただ、この日の小さなミスだけは心残りだった様子。代表が決まった世界選手権へ向け「まだ悔しい部分があったので、実力をしっかり出せるように頑張りたい」と、言葉を少し強めた。日本女子フィギュアの黄金時代は続いている。バトンを受けた努力の天才は、次の目標へすぐに再スタートを切る。

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