森元首相、責任否定「私には関係ない」

 2020年東京五輪・パラリンピックの組織委員会会長を務める森喜朗元首相(78)が22日、都内の日本記者クラブで会見を行った。森会長は総工費が2520億円と高騰し、建設計画が白紙に戻された新国立競技場の問題で、一部に自身の責任を問う声があることについて「大変迷惑している。私には関係ない」と不快感を示した。また、新国立競技場の建設と19年ラグビーW杯を結び付けた報道には独特の例え話で持論を展開した。

 会見冒頭、森会長が自ら口火を切った。新国立競技場の見直しについて「大変迷惑している。組織委がつくるわけではなく、こうしてくれ、ああしてくれと言ったわけでもない。つくるのは国、そして都が協力するもの」と、自ら会長を務める組織委の責任を否定し、不快感を示した。

 ラグビーW杯との関係については、当時既に開幕戦や決勝の会場は日産スタジアムを使用することで了解を得ていたという。ところが、東京五輪が決まり、新国立建設が浮上したことでラグビー側が誘われた経緯を明かした上で、「クラウンくらいの車に乗っていたら後ろから大きなセンチュリーが来て『こっちの車がいいから乗り換えなさい』と言うので、そっちに乗ったらパンクしてラグビーだけ降ろされた」と、独特の例え話で“恨み節”を表現した。

 責任の所在については「どこに責任があるかと言うのは難しい。日本の役所、機構上の問題。官邸が責任を持ってやると言うから、それを見てからでいいのではないか。『犯人』みたいなものを出してもプラスにならない」と言葉を濁した。

 「五輪やラグビーのためにつくるわけではない。50年60年、レガシー(遺産)として残る、日本が誇れる聖地をつくる」と高らかに新国立の意義を掲げた森会長。だが、その言葉ははたして国民から共感を得られるのだろうか-。

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