内村 前人未到の世界選手権5連覇達成

 「体操世界選手権・第7日」(9日、中国・南寧)

 男子個人総合決勝が行われ、内村航平(25)=コナミ=が91・965点で自身の記録を更新する前人未到の大会5連覇、五輪を含めた世界大会6連覇を達成した。内村は5度目の世界選手権で通算7個目の金メダルとなり、日本選手で歴代最多の監物永三と中山彰規に並んだ。また、通算15個目のメダルも、監物と並ぶ日本人最多タイとなった。田中佑典(24)=コナミ=も90・449点で銅メダルに輝いた。

 当然と言わんばかりの涼しげなドヤ顔が、底知れぬ強さを物語った。完全アウェーの雰囲気も、下克上を狙う各国の新鋭にも、絶対王者は盾突くことを許さない。内村は冒頭の床運動から最後の鉄棒までほぼ完ぺきな演技で、ただ1人6種目で15点台をマークし、前人未到の世界選手権5連覇。それでも本人は「平行棒と鉄棒で失速した。まだまだかな」。あらためて別格の存在だとを示した。

 代表最年長になり、初めて主将にも任命された。これまではどちらかといえば、演技で引っ張るタイプだったが、それ以外の部分でも自覚が芽生えた。最終合宿が終了後、自ら音頭を取り、焼き肉決起集会を開催。ロンドン五輪から代表の加藤凌平も「こんな航平さんは初めて」と驚いたほどだった。敵地採点に泣き、わずか0・1点差で中国に敗れた屈辱の団体戦から中1日。体操ニッポンの“顔”として、こだわり抜いてきた美しい体操で問答無用の勝利をもぎ取った。

 この金メダルで世界選手権での獲得メダル数は15となり、監物永三氏の日本人最多に並んだ。個人総合ではこれで6年間負けなしの31連勝だ。体操ニッポンが栄光を極めた1964年の東京五輪から10日で50周年だが、その存在は過去のレジェンドたちを超え、もはや“生ける伝説”だ。

 25歳という、体操選手として1つの年齢の壁を迎えてもなお、いまだ負ける姿を想像できない絶対王者。2年後のリオデジャネイロ五輪、そして6年後の東京五輪へ‐。内村だけが歩むことができる王道の終着点は、まだまだ見えてこない。

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