竜馬大金星!全豪覇者にストレート勝ち

 「テニス・楽天ジャパン・オープン」(30日、有明テニスの森公園)

 シングルス1回戦で世界ランキング103位の伊藤竜馬(26)=北日本物産=が、今年の全豪オープン覇者で同4位のスタニスラス・ワウリンカ(29)=スイス=をストレートで撃破する大金星を挙げた。ダブルス1回戦では全米オープン準優勝の錦織圭(24)=日清食品=が内山靖崇(22)=北日本物産=とのペアで快勝し、8強入りした。

 日本の男子テニスは錦織だけじゃない。第1セットを先取して迎えた第2セット第8ゲーム。3連続ポイントでマッチポイントを迎えた伊藤は、サービスから鋭いバックボレーを決めた。力強く右手を握りしめ、鳴りやまない拍手を浴びた。

 初対戦で世界4位で今大会第1シードのワウリンカと堂々と渡り合い、「初めてトップ5の選手と対戦して日本で勝てたのはうれしい」と笑顔をはじけさせた。第1セットでは4‐2から4‐5に逆転される苦しい展開だったが、最後に3ゲームを連取する勝負強さを発揮した。

 1学年下の錦織は小学校時代に全国大会で何度も顔を合わせた。「彼の数々塗り替えている歴史はすごいことですけど、自分にもそういうことをできることを試したかった」。“戦友”と比べても自分が負けているとは考えていない。

 両者が順調に勝ち進めば準決勝で対戦する。「彼とも対戦したいと思っています。こういう大会に出て、強い選手とやりたい」と2回戦、準々決勝を勝ち抜く決意を示した。世界ランクの過去最高は60位。日本では難しいとされてきたランク100位の壁を破った経験もあるだけに言葉に力がこもっていた。

 この日、同じ三重県出身の西岡良仁がアジア大会で金メダルを獲得。「おーっと思った。三重県なので特に応援しています。2人で頑張っていきたい」と自分のことのように喜んだ。錦織の活躍は起爆剤。男子テニス界に黄金時代到来の期待が膨らんでいる。

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