川内笑顔なき4位もアジア大会「当確」

 「びわ湖毎日マラソン」(2日、皇子山陸上競技場発着)

 公務員ランナーの川内優輝(26)=埼玉県庁=は、2時間10分38秒で4位に終わった。中間点過ぎで先頭集団から遅れ、一時は15位まで落ちた。終盤は持ち前の粘りでごぼう抜きしたが、目標の7分台には遠く及ばず。9月のアジア大会(韓国・仁川)代表入りはほぼ当確となったが、今後に向けて大きな課題を残した。パズ・ウォルク(エチオピア)が2時間9分10秒で初優勝。佐々木悟(28)=旭化成=が日本人トップの2位に入った。

 一度脱落した男が、不死鳥のようによみがえる。見ている者には面白い“劇場型レース”も、それは川内にとって課題を克服できていないことを意味する。中間点過ぎで先頭集団から離され、一時は15位まで落ちたが、そこから驚異的な粘りで4位まで浮上した。ただ、歯を食いしばってゴールした川内の顔に、笑みが浮かぶことはなかった。

 「ズルズルいってしまった。自分の力のなさを実感した」

 レース直前の嫌な予感が的中した。「雲が晴れていくのを見て、嫌だなと思った」。午前中は8度前後だった気温はレース中盤には14度に上昇。暑さを苦手とする川内を、マイナスイメージが支配した。「10キロ過ぎから汗が出て苦しかった」。目標とする2時間7分台に挑む以前に、気持ちで負けてしまった。

 日本人トップだった佐々木が福岡からの“追試”組で選考対象とならず、川内のアジア大会代表入りは当確。今後は16週連続大会出場や、4月に発足するナショナルチームで暑さ対策のノウハウを学び、残暑の残る9月仁川での大一番に挑む。「代表に選ばれれば、金メダルを狙っていく」。日本代表戦線に残るのか、一市民ランナーに戻るのか。いまだ心揺れる公務員ランナーは、人生の分岐点となる夏を迎える。

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