「秘境の世界で」

 【My リポート・鈴木健之、森田昌宏】 北茨城市・水沼ダム

 知る人ぞ知る「秘境の世界で」ヘラブナ釣り!!

 紅葉は日本列島を北から南へと染めていく。春の桜とは逆で、ドライブコースなどからの展望が一番好まれている。

 しかし桜のように、樹木の下で楽しめるコース(場所)もある。北茨城市の北西、水沼(みずぬま)ダムを登り口にした水沼山だ。標高559メートルの鷹巣山に向かう尾根で、展望はなく、落葉紅葉樹に囲まれた道が続くのだ。地図などに「山」の表記はないが、知る人ぞ知る、ハイキング・ロードの名場所である。

 その出発点となるダム湖は、ヘラブナ釣り場として名高い。例年、錦秋に釣果を伸ばす。夏場から続いた減水が収まり、徐々に上がる水位に、魚が活気づくからだ。陸奥(みちのく)に近く、越冬の体力作りのためということもある。

 1周約2キロ。舟釣りは禁止。ポイントは北と西側、それに南側の一部。唯一の難点といえば水辺までの急斜面。ただ降りてしまえば、もう秘境の世界。先週、まだ紅葉には早いが、ヘラのご機嫌伺いに出掛けてみる。

 入釣は北岸の「水沼山入口」の表札がある道路下。先釣者は数人で中、短竿で宙釣りの人が多い。見ていると空ツンが多い。気温の上昇からか、魚は上ずっている様子。宙釣りで通した方が、最終的には数は拾えるが、釣趣があり無駄働きが少ない底狙いにする。

 竿17尺、道糸1号、ハリス0・4号。タチは約4・5メートル。エサは「ダンゴの底釣り夏」+「新B」+「グルバラ」を均等に練り上げた両ダンゴ。当初、根掛かりするが、両ベタにすると落ち着く。

 竿頭50匹以上

 野鳥の競演をBGMに、午前中約5時間で14匹、午後エサをグルテンセットに替えて、3時間半で9匹。魚影特濃の湖としてはイマイチだが、型が30センチ前後とそろい、引きも上々。11月には新ベラの放流も予定され、例年通りだと竿頭50匹以上は期待できそうだ。

 仕掛けは透明度の高さから細め。エサは自分流でスタート、ジャミ(小魚)の動き、上ずりの状態を見極めながら修正していく。ウドン系など種類は多く持参したい。

 紅葉の盛期はお化け陽気続きで判断が難しいが、第4週あたりから色づくか。湖の周りは常緑樹とのコントラストが素晴らしい。釣りの間、家族は紅葉ロードへという光景がこれから多くなる。

 〈ガイド〉入漁料=500円(釣り台必携)▽交通=常磐道北茨城IC下車、県道299号を北へ約8キロ。

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