33センチヘラGET
【Myリポート・細田雄治】常陸利根川・茨城県
関東では平野部の乗っ込みが一段落。これからの野ベラ釣りは水深があり、水通しのいい大場所が狙いどころになってくる。そんな意味から目を付けたのが霞ケ浦水系の各河川。昨年は北浦と外浪逆浦をつなぐ鰐川(わにがわ)がよく釣れたこともあり、5月最終週に竿を担いで出かけてみた。 ところが、午前6時に現地西岸に着いてみればヘラブナを狙う人は皆無。さらに、10分ほど川面を眺めてもモジリやハネなど、魚の気配を知らせるものを目にできなかった。こんなときは場所を変えるに限る。この日は南風がやや強かったので、東西方向に走る河川なら釣りやすい。 そこで選んだのが常陸利根川(ひたちとねがわ)。この川は霞ケ浦水系の最下流に位置し、水門を介し利根川に注ぐ。川幅は約300メートルあり、ヘラブナ釣り場としては実に広々とした水域だ。常陸川大橋(潮止め水門)を北から渡って南詰めへ。そこからジャリ道を経て南岸をさかのぼる。すると、ワイルドダックゴルフ場の西端付近にある小水門前で初老のヘラ釣りファンに出会う。 この御仁は「雨の日以外はほとんど毎日ここで竿を振っている」と言い、乗っ込み以降は水深のあるこの一帯が好ポイントだと教えてくれた。「竿は長くても18尺まで。流れがなければ宙でも釣れますよ」話を聞いていると、その御仁は30センチオーバーの良型ベラを取り込んだ。 そんな光景を目の当たりにしては、もはや竿を出さずにはいられない。さっそく道具を担いで右隣に入れさせていただく。竿は16尺、その竿で水深を測ると約3メートル。緩いながらも流れがあったのでタナを底にしてエサ打ち開始。午前9時、最初のアタリで釣れてきたのは通称・アメリカナマズ。次は20センチほどのマブナ。そして、待望の瞬間は11時過ぎにやってきた。 重量感たっぷり!!流れがやや強くなったのを機に、下バリのハリスに小さなオモリを巻く。すると、その2投後、わずかにウキを動かすモゾアタリ。その動きに合わせると重量感たっぷりの手応えが竿から伝わった。2度、3度と強い引きを見せたあと、タモに収まったのは良型ベラ。長さを測ってみれば33センチ。この時期は1匹でも顔を拝めればよしとし、午後1時に竿をしまった。
話では、梅雨入り以降はさらにいい釣りができるとのことで、パラソル持参で再び訪れてみたい。 ▽ガイド 入漁料=1日400円、電話=霞ケ浦漁協0299・55・0057