ジョンソン抹消も盤石カープに影響なし!

 今更ながら、緒方カープは本当に強い。球宴開けの阪神3連戦が初戦を落としながら連勝し、先週の中日3連戦も同様に初戦黒星のあとを連勝して2カード連続勝ち越し。この2カードで目についたのはやはり活発な打線で、特に相手投手が左腕でも5番でも固定されている松山の好調さが印象に残った。3番・丸とこの松山が打線を引っ張って勝ち星につなげた。球宴前から少し落ち気味だった4番・鈴木も引き上げられるように調子が戻ってきた。岩本ら控え組も結果を残しているし、こと打線に関しては申し分ない。

 そんな中、昨年の沢村賞投手・ジョンソンがまた1軍出場選手登録を抹消された。原因は「左太もも裏の筋損傷」で、病院の検査で加療3週間と診断されたという。22日のランニング中に患部に痛みを感じたらしいが、登板翌日の投手が筋損傷に至るほどハードな走り込みをするとは考えられない。ただ、こればかりは本人でないとわからないから言いようがないが、緒方監督の「何をやってるんだ、という感じ」との憤慨にはうなずける。球宴前のDeNA戦(12日・マツダ)で8回1失点の好投をして我々を安堵させてくれただけに、今回のリタイヤには失望が大きい。

 加療3週間ということは、少なく見積もっても復帰にはその倍以上の時間が必要になる。早くて9月上旬だろうが、故障箇所が治りにくい太ももということを考えると、中旬から下旬にまでずれ込むことを想定しておかないといけない。もしそうなれば彼を“戦力”として考るわけにはいかないし、不在を前提にした対策が必要になってくる。

 昨年ならば「大変だ!」となるジョンソンのリタイヤだが、咽頭炎からくる体調不良で開幕から約2カ月以上も戦線を離脱している状況下でも、カープは岡田や薮田、大瀬良らの奮投で見事に穴を埋めきった。今も野村、薮田が安定感ある投球を続けているし、岡田も22日の中日15回戦(マツダ)で約1カ月ぶりの8勝目をマークして復活ののろしを上げた。今季無敗の大瀬良を加えたこの4人がしっかりしていれば大丈夫だと思うし、何よりその他の若手投手たちには大きなチャンスになる。今は中継ぎに回っている九里や、主に敗戦処理の左腕・高橋樹だって先発の機会が巡ってくるかもしれない。ジョンソンに代わって登録されたへーゲンズら助っ人の“控え組”にとっても来季残留に向けたアピールの機会になる。チーム内競争さらにを激化させる意味で、このジョンソン不在は前向きにとらえたい。

 12球団一のチーム打率(・281)を誇り、盤石に近い戦いぶりを見せつけ、2位・阪神に9差をつけて首位を独走する“緩み”は個人的には感じられない。また、今回のジョンソン抹消でいい緊張感が生まれたと思っている。これまで数々の試練をパワーに変えてきた緒方カープだけに、ここもあっさり乗り越えてくれるに違いない。

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